恒久派兵法策動をやめよ

2008年6月20日

1 自民党と公明党は、与党プロジェクトチームの会合で恒久派兵法についての中間報告をとりまとめた。
  私たち自由法曹団東京支部は、東京の弁護士から成る法律家団体として、恒久派兵法の策動一切をやめることを求める。

2 日本はイラクやインド洋に自衛隊を派兵することでイラクやアフガニスタン民衆の殺傷や生活の破壊に加担している。 日本はこうした戦争の加担を直ちにやめることが求められている。 名古屋高等裁判所はイラクへの自衛隊派兵を憲法違反とする判決を出し、その判決は確定した。この判決に従って海外派兵の自衛隊を撤退させなければならない。

3 ところが恒久派兵法はこれに真っ向から逆らうものである。与党が中間報告をとりまとめて恒久派兵法制定を目論んでいることは厳しく批判されなければならない。
  恒久派兵法はこれまでの特別措置法に代え一般法として、いつでも、どこでも、期限もなく自衛隊を海外に派兵するものである。
  それだけでなく中間報告ではこれまでの特別措置法を大きく変え、憲法9条の実質的な改悪をさらに推し進める内容を含んでいる。 中間報告では、関連国連決議のない国際平和協力活動について引き続き議論するとし、海外派兵要件の緩和を検討対象としている。 また警護任務の付加について武器使用権限との関係も併せて引き続き検討するなどとしている。 これは、自衛隊の活動を大幅に拡大して武力行使の道を開き、憲法の政府解釈でも認められてこなかった戦力、交戦権の行使を目指すものである。

4 今国会中の法案要綱とりまとめが目標とされながら中間報告にとどまったことは恒久派兵法に反対し憲法を守り活かすことを求める世論の力の反映である。
  私たちは恒久派兵法制定に向けた動きを直ちにやめることを求める。またアフガニスタンへの陸上自衛隊派兵に向けた動きを始め自衛隊海外派兵の動きを全てやめること、 そしてイラク、インド洋など海外派兵の自衛隊のすみやかな撤退を求めるものである。

2008年6月20日
自由法曹団東京支部
支部長 島田修一
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