市民が勝ち取ったイラクからの自衛隊撤収命令

1 11月28日、政府はイラク派兵の自衛隊に対して撤収命令を発した。この撤収命令は平和を求める市民のねばり強い運動の成果である。
  私たち自由法曹団東京支部は、この撤収命令を勝ち取った市民の運動に確信を深め、さらに平和のために邁進する決意を表明する。

2 イラク戦争は国際法・国連憲章に反する違法な戦争であり、その口実とされた大量破壊兵器も存在しなかったことが明らかとなっている。 それは全く合理化することのできない許されない戦争である。この戦争によってイラクの多くの人々が殺され、傷つけられ、生活を破壊された。
  この戦争に平和憲法を持っている日本が自衛隊派兵によって加担することもまた許されない事態であった。

3 日本の市民はイラク戦争に抗議し、自衛隊派兵による戦争加担をやめさせるためさまざまな努力を行ってきた。 その努力の一つが今年4月の名古屋高等裁判所での自衛隊イラク派兵違憲判決となって結実し、この判決は確定をした。 違憲判決をもたらしたのは市民の平和への熱い思いである。
  イラク戦争反対は世界の流れである。イラク戦争に参戦した国も次々と撤兵し、アメリカ国内でも戦争への批判が高まっていった。 自衛隊のイラクからの撤収はこうした世界の人々の戦争を許さない声と連帯して獲得され、またこの声をさらに強めるものである。

4 イラクからの自衛隊撤収命令が出されたのは、こうした市民のたゆみない運動の成果である。 そして、これは平和憲法を守り活かす活動の結果であるとともに、平和憲法が現実に大きな力を持っていることを事実で示したものである。 私たちは平和憲法のすばらしさをさらに発揮させるためにますます取組みを強めるであろう。
  そうした取組みとして自由法曹団東京支部は、平和憲法に反するインド洋からの自衛隊の撤退を求め、派兵恒久法の策動を許さないために邁進するものである。

2008年11月28日
自由法曹団東京支部幹事会