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ネットメディアvs記者クラブ~官邸前抗議行動・記者クラブ拒否事件

2014年6月26日

事件名

国会記者会館屋上取材拒否裁判

事件の内容

OurPlanetTVは、毎週金曜日に官邸前で行われている脱原発の抗議行動を取材するため、国会記者会に国会記者会館屋上からの撮影を求めたが、記者クラブに所属していないとの理由で屋上への立ち入りを拒否された。また国に対して国会記者会館の使用許可申請をしたが使用不許可処分を受けた。以上の国会記者会および国の拒絶行為により報道機会の喪失を被ったとして損害賠償を請求する訴訟

係属部

東京地方裁判所民事第6部

次回期日

2014年10月14日(火)午後1時10分 東京地方裁判所 705法廷

判決

当事者

原告

●OurPlanetTV(非営利のインターネット放送局「OurPlanet TV」(http://www.ourplanet-tv.org)を運営しており、市民の観点から人権や環境問題についての番組を作成し、「OurPlanet TV」で動画として配信している。)

被告

●国会記者会(全国153社のテレビ・新聞等のマスコミが所属する、いわゆる記者クラブである。国会記者会館には各社のためのスペースがあり、被告国会記者会に所属する記者が国会等の取材のために利用している。)

●国(衆議院は、昭和33・1.7蔵管第1号「国の庁舎等の使用又は収益を許可する場合の取扱の基準について」という通達に基づいて、昭和44年3月15日から国会記者会に対し、国会関係取材のため、国有財産たる国会記者会館を無償で提供している。)

請求の趣旨

OurPlanetTVが国会記者会および国に対し損害賠償として220万円を請求

訴訟の経過

1 OurPlanetTVは、毎週金曜日に官邸前で行われている脱原発の抗議行動(主催:首都圏反原発連合)を取材するうえで、至近から俯瞰できる国会記者会館からの撮影を求めていた。OurPlanetTV代表者白石草は、2012年7月6日金曜日午後6時ころ、国会記者会を訪れ、目下行われている官邸前デモの様子を、国会記者会館の屋上から撮影するため、国会記者会の代表者である佐賀年之事務局長に屋上への立ち入りを申し入れた。

2 国会記者会代表者佐賀はこの申し入れを拒絶した。

3 OurPlanetTVの代理人は、2012年7月12日、国会記者会及び国会記者会事務局に対して、FAX及び速達郵便によって翌13日の金曜日に行われる官邸前デモの取材のため、国会記者会館の屋上からの撮影及び屋上への立ち入りを求め、また、立ち入りを拒絶する場合にはその根拠を示すように求めた。

4 OurPlanetTV代表者白石草と同代理人らは、2012年7月13日午後5時ころ、国会記者会館に赴き、佐賀事務局長と面会し、改めて屋上への立ち入りと屋上からの取材の申し入れを行った。

5 国会記者会代表者佐賀はこの申し入れを拒絶した。

6 OurPlanetTVは、2012年7月17日、7月29日に「脱原発国会大包囲」と銘打った大規模なデモが行われる予定であり、その模様を国会記者会館の屋上から撮影するため、被告国及び被告国会記者会を相手どって、国会記者会館の屋上への立ち入りを求める仮処分申請を行った(平成24年(ヨ)第2497号、平成24年(ヨ)第2498号)。

7 上記仮処分申請は、7月26日、いずれも却下された。

8 OurPlanetTVは、2012年7月27日、上記仮処分却下決定に対して即時抗告を行った(平成24年(ラ)第1607号、平成24年(ラ)第1608号)。

9 上記即時抗告は、7月27日、いずれも棄却された。

10 OurPlanetTVは、2012年7月27日、衆議院に対して、国会記者会館の屋上施設使用を求める内容の国有財産使用許可申請をした。

11 上記申請に対して衆議院は2012年8月24日に使用不許可処分をなした。(衆庶発第2449号)。

12 さらにOurPlanetTVは、2012年8月29日、衆議院に対して同様の国有財産使用許可申請をした。

13 上記申請に対して衆議院は2012年9月3日に使用不許可処分をなした(衆庶発第2572号)。

14 上記の経緯を経て、OurPlanetTVは2012年9月29日に国会記者会および国に対し損害賠償を求めて提訴した。

本訴訟の意義

新興のインターネットメディアと既存の記者クラブメディアとの間の新旧メディアの対立及び国有財産たる国会記者会館全体の無償使用という記者クラブの既得権が問題となっている。国が国有財産を記者クラブ加盟社のみに特権的に利用させることの違法性、そして記者クラブが国から得た便益を独占し、非加盟のメディアを排除することの違法性が問われている。背景に通底する問題として国民の知る権利の問題がある。

(紹介者 弁護士 倉地智広)

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