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ムスリム違法捜査事件(国家賠償請求訴訟)

2014年1月17日

事件名

公安テロ情報流出事件(国家賠償請求訴訟)

内容

警察庁、警視庁がテロ対策を名目に、国内のイスラム教徒を無差別に捜査の対象とし、その個人情報を違法に収集、保管、流出させたことにつき、 国及び東京都を相手に、国家賠償請求訴訟を提起した事件

当事者

国内在住のイスラム教徒複数名 VS 国、東京都

係属機関

東京地方裁判所民事第14部

次回期日

2014年1月15日(水) 15:00~
東京地方裁判所 第615号法廷(始関裁判長)

次回の予定

判決。
同日17時より、司法記者クラブにて、原告同席の下、
記者会見を予定しております
弁護団ウェブサイト

裁判の概要

2010年10月28日ころ、警視庁公安部外事第三課の捜査資料114点が、インターネット上に流出しました。 その捜査情報には、一般人たる国内外のイスラム教徒の氏名、国籍、生年月日、住所、勤務先、家族の情報、モスクへの立ち入り状況、 その他の立ち寄り先等の、詳細なプライバシー情報が含まれていました。

同年12月24日になり、警視庁・警察庁は、本件捜査資料が警視庁・警察庁から流出したものであることをようやく認めましたが、 それまでに、本件捜査資料は次々とダウンロードされ、さらにその資料がそのまま書籍として出版されるという事態まで生じました。

また、本件捜査資料の内容から、警視庁・警察庁が、イスラム教に対する偏見に基づき、テロ対策の名目で、国内の多くのモスクやイスラム関係の団体、 飲食店等を厳重な監視下に置き、個人情報を収集していたことが明らかになりました。

そこで、本件流出事件の被害者の一部が原告となり、2011年5月16日、国及び東京都を相手として、国家賠償請求訴訟を提起しました。

訴訟経過

2011年8月24日 第1回口頭弁論
2011年8月24日・弁護団長陳述要旨
2011年8月24日・原告陳述

裁判の意義

本裁判において原告らは、警察庁・警視庁が原告らの個人情報を ① 違法に収集したこと、② 正当な理由なく保管したこと、 ③ 故意または過失によって流出させたこと、④ 流出後これを放置し被害を拡大させたことが、原告らの信教の自由、プライバシー権、 名誉権等を侵害する不法行為にあたるとして、国家賠償を請求しています。

つまり、この裁判では、単に資料を流出させて原告らのプライバシーを侵害したというだけではなく、 単にイスラム教徒というだけで無差別に捜査対象とする、警察の捜査手法の違法性を問題としているのです。

日本国憲法は 「すべて国民は、個人として尊重される」 とし(13条)、信教の自由を保障し(20条)、 人種、信条等による差別を禁止しています(14条)。 警察による本件捜査は、この憲法の精神に真っ向から反するものであり、国自らがイスラム教徒の尊厳を蹂躙し、差別を助長するものと言わざるを得ません。

このような意味で、本訴訟は、極めて重大な意味を持つものです。是非、ご注目ください。

文責 NPJ編集部

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