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【NPJ通信・連載記事】音楽・女性・ジェンダー ─クラシック音楽界は超男性世界!?/小林 緑

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音楽・女性・ジェンダー ─ クラシック音楽界は超男性世界!?
第49回 1・9コンサート「平等と自由を求めた女性作曲家たち」リマインダーと1・17『女の平和』レッド・アクションへのお誘い

2015年1月3日

72年の来し方を振り返っても、最悪としか言いようのなかった2014年が終わり、早や3日…ともかく時間は黙って過ぎ行く。新たな一年、何とか生き延びる方策を考えるほかない。

「おめでとうございます」といえる気分にはなれないけれど、ともかく皆様、2015年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

まずは、先回チラシとともにお知らせしたコンサート『津田ホールで聴く女性作曲家たち・最終回/平等と自由を求めた女性作曲家たち』が一週間後に迫ったので、改めてご案内する。とはいっても、今回は津田ホールの閉鎖という事態が音楽のコアなファンにも「それは大変!」と思わせたのか、かなり反応がよくチケットの売れ行きも順調、その意味では一安心だ。

なんといっても中央・総武線駅前という立地、490席という手ごろな大きさ、響き過ぎず程よい反響の音楽専門ホールが使えなくなる…惜別の意を込めて企画したこのコンサート、単純に「女性作曲家」を謳い文句にしてきたこれまでのケースとは異なり、いくつか取材のお話もいただいた(ネットの”クラシックニュース”では動画デビューも!)。タイトルに付した「平等と自由」という形容句が効果的だったのだろう。ともあれ、こうした“政治的”な言葉が新鮮に思えるほど、このクラシック界が世間離れしている、その事実を再認識する良い機会ともなった。

コンサート当日(1月9日)が予報では好天らしいのは救いだが、なにしろこのびっくりするほどの寒中、お客様が予定通りホールまで足を運んでくださるか、心配は募る。加えて、ほとんど初めての作品ばかりお願いした3人の演奏者が、期待通りの成果を上げてくださるかどうか、企画者としては何より気がかりだ。回想録で女性ゆえに受けた不当な仕打ちも告白したルイーゼ・アドルファ・ル・ボー(チラシ表紙の写真上)、圧倒的な実力で主席となるも女性禁制ゆえに教会オルガニストの職に就けなかったエルフリーダ・アンドレー(同下)…彼女たちを取り上げたのは、日本の女子教育に凛と輝く津田梅子に見合うクラシック界の存在なればこそ。ホールがその名を冠した津田梅子へのオマージュとして最後に実施するにふさわしい演奏が聴けることを願うばかりである。

ここから今回の連載表題につなげたい。上記ネット画面でしわくちゃの老女には不似合な真紅のスカーフがお目に留まるのではないか。実はこれ、コンサートの翌週17日(土)に予定されている『女の平和』への連帯を先駆けて表明したつもりなのだ。このイヴェントの詳細については昨年12月26日付け東京新聞朝刊の第1面カラー記事(第27面にも赤の枠付きで関連説明あり)をご覧いただきたい。記者会見する女性たちがみな何かしら赤色を身に着けているのが一目瞭然、お分かりあろう…そう、これは赤色ファッションで国会を囲むヒューマン・チェーンのアクションである。

集団的自衛権行使に反対、戦争は絶対いや!を愚直に表明できるのは女たち…1970年代、古い因習からの解放を求めた北欧アイスランドの女性運動「レッド・ストッキング」からヒントを得たというこの企画の賛同者に私が加わったのも、コンサートで取り上げるアンドレーが、同じ北欧スウェーデンの女性解放を先導した一人であったことにすぐ思い至ったためもある。今や200人に迫る賛同者の輪をさらにさらに広げて、当日は10,000人を超える人波で国会を赤色に埋め尽くしたい!もちろん女だけではなく老若男性も大歓迎とのこと。上京は不可能な方々も、それぞれ在住の地で国会と呼応するイヴェントを準備中とか。

皆様、新しい年へのせめてもの希望を託すこのアクションをぜひ成功させましょう。そして日本全国赤色ファッションの鎖でアベにレッド・カードを突き付け、赤っ恥を掻かせようではありませんか! (2015・1・3)

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