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名護市長訪米行動を振り返る (上)

寄稿:猿田佐世

2014年6月14日

シンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」では、稲嶺進名護市長の訪米行動(5月15~23日)を企画・同行を担当した。コーディネートの中心を担ったND事務局長猿田佐世氏が、今回の訪米行動の成果と今後の課題について寄稿した。(この記事は沖縄タイムスの許可を得て転載しています)

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今回の訪米行動に向けては、4カ月近い準備をしてきた。多くの方の協力を得て、米政府、連邦議会、シンクタンク関係者との面談、また、議会調査局やブルッキングス研究所におけるグループ討論など、計48件の行程を設定。特に今回は「一般市民へ思いを伝えたい」との市長の希望を受け、13件のメディア個別取材および4件の一般公開の講演の機会を設定した。

国務省・国防総省のカウンターパートがワシントン不在だったために政府面談が国務省日本副部長に限られてしまったが、250人以上と直接意見交換する機会を持ち、また、ニューヨーク・タイムズ、ブルームバーグなど多くのメディアが詳細な記事を掲載したことは大きな成果であった。

多くの米国の人々は、沖縄の基地問題に関心がない。政策決定権者の集まるワシントンにも沖縄の声が届くことは少なく、今回のような訪問は「こういう声が存在することを私たちに思い出させる」(リチャード・ブッシュ・ブルッキングス研究所東アジア政策研究センターディレクター)機会として大変重要である。

「もう沖縄からの訪問者には会いたくない。どれだけアドバイスをしても、いかに米国社会に訴えるかではなく、沖縄でどう報道されるかを考えての訪米ばかりだ」。3年前、辺野古移設に反対するスティーブ・クレモンズ氏(ザ・アトランティック編集者)からこう直言された。

確かに、沖縄での報道も重要であるが、せっかくの訪米である。限られた条件の中でいかに効果的に米国に声を伝えるか、それを実践するのがNDの任務である。

この5年間、私は、ワシントンでロビーイングを行い、沖縄選出を含む日本の国会議員等の訪米活動をサポートしてきた。2年前まで住んでいたワシントンでは、日米外交を垣間見る機会を得たが、普天間基地の県外移設を求める首相の声すら既存の外交チャンネルには届いていなかった。「外交チャンネルがあまりに限られている」との思いに駆られていたところ、沖縄の知人から「なぜ沖縄の声は米国に届かないのか、何か動いてくれないか」と声がかかり、ウチナー3世の夫に背中を押され、ワシントンでの活動を始めた。

政治・外交の各テーマについて、国境を越えた情報収集、情報発信、政策提言を行うシンクタンク「新外交イニシアティブ」を昨年8月に立ちあげ、現在に至っている。名護市はNDの団体会員である。(弁護士、新外交イニシアティブ)

さるた・さよ 1977年生まれ。愛知県出身。2002年日本で弁護士登録、2008年コロンビア大学ロースクールで法学修士号を取得。2009年米国ニューヨーク州弁護士登録。2012年アメリカン大学国際関係学部で国際政治・国際紛争解決学修士号取得。新外交イニシアティブ事務局長。

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新外交イニシアティブ(ND)主催の訪米報告会「米国に声を伝える-名護市長訪米活動のコーディネート経験を踏まえて-」が、6月18日 (水) 18:00~20:00、衆議院第一議員会館第6会議室(地下1階)で行われる。

問合せは、ND事務局まで。

03-3948-7255

https://www.facebook.com/events/243773385747054/

 

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