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日中戦闘機の異常接近 両国発表は依然平行線

寄稿:池田龍夫

2014年6月16日

尖閣諸島をめぐる日本・中国の対立。早期解決を願うばかりだが、依然平行線をたどっている。北京発時事電によると、中国国防省の耿雁生報道官は6月12日、東シナ海の公海上空で中国軍の戦闘機が自衛隊機に異常接近したことを受けて談話を発表。「日本の戦闘機2機が中国機の30㍍まで接近・追跡し、中国機の安全航行に重大な影響を与えた」と反論した。その上で「国際社会を欺き、わが軍のイメージをおとしめ、地域の緊張をつくり出した」として日本側の対応を批判し、「中国側はさらなる措置を取る権利を留保する」とけん制した。

中国国防省はウェブサイト上で談話とともに、52秒のビデオ映像と写真も公開。中国機から撮影したとみられる映像では自衛隊のF15戦闘機が接近してきたように見える。自衛隊機の番号を指摘する声も録音され、F15戦闘機2機が接近したことを示唆している。 同省によると、中国空軍が、東シナ海に設定した防空識別圏で定期パトロール中の6月11日午前10時17分(日本時間同11時17分)、F15戦闘機2機の接近に遭ったとしている。

日本の防衛省によれば、中国軍のSU27戦闘機2機が11日午前11時~正午ごろ、航空自衛隊のYS11EB電子測定機と海上自衛隊のOP3C観測機に後方から近づき、このうち1機が約30~45㍍まで接近した。しかし、領空侵犯は発生しておらず、自衛隊機及び隊員への被害はない」としている。

これについて中国国防省は「自衛隊機2機が中国の防空識別圏内で偵察活動を行ったため、関連規定に基づき中国軍の(主力戦闘機)殲11を出動させ、自衛隊機への識別・認証を行った」と指摘。「日本側との距離も150㍍以上を保持した」として日本側の発表と完全に食い違っている。「日本側パイロットは危険で明らかに挑発的だった」と主張しており、両国の反目は危険きわまりない。

幸い事故は未然に防げたものの、東シナ海の緊張は続いている。一触即発の事態にならぬよう祈るばかりだ。

池田龍夫 (いけだ・たつお) 毎日新聞OB、紙面審査委員長など。

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