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自衛隊の「米軍防護」の一項新設が気になる

寄稿:池田龍夫

2015年9月8日

自衛隊の役割を大きく変える安全保障法案だが、問題点を指摘する人たちが「最も危険」と口をそろえるのが自衛隊法95条の2『米軍等の武器等防護』という条文の新設だ。政府は「武器等」には航空機や艦船も含むと説明。多国からの要請があれば防衛相の判断で自衛隊は出動できる。しかも、武器等の防護には地理的限定がなく、平時でも可能になり、閣議決定も必要ないという。

8月26日に憲法学者らが「違憲」の声を挙げたが、記者会見で「60年にわたって自衛隊を合憲としてきた政府の解釈は『他衛』を本質とする集団的自衛権の行使は違憲という解釈と表裏一体の関係にある。だが、そうした考え方は安保法案の成立で失われる」と危惧した言葉が耳に残る。

安倍首相は「国民の理解を得られるよう務める」と繰り返すだけ。多数決で強行採決の魂胆が透けて見える。

池田龍夫 (いけだ・たつお)毎日新聞〇B。

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