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【NPJ通信・連載記事】練馬自衛隊基地ウオッチング~ダイコンと基地の街~/坂本 茂

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忘れない9月19日 戦争法成立直後“基地の街”練馬は!

2015年10月1日

9月21日 国民の祝日?

祝っていられるか! 抵抗する自衛隊官舎 一色に染まらず

♪白地に赤く 日の丸染めて♪と歌われる 日の丸が自衛隊官舎から消えた。

かつて、敬老の日など国民の祝日には自衛隊官舎は“国旗”を掲げ、真っ赤になっていた。なぜか今年は旗が見えない。勘違いかと思い他の自衛隊官舎へ行っても日の丸が見えない。1~2本は階段にぽつんと揺れているが自衛隊官舎から日の丸が消えた。

戦争に強制的に連れて行かれる法律が成立して二日目、国民の祝日とは思えない。

精強(せいきょう)と言われる自衛隊の組織ではあるが、“(いくさ)”に対する意気込みが喪失した日となった。

 

弁護士に相談する自衛官の母や恋人の生の声を聞きたい 自衛官たち

ふたりの若い独身隊員が連れ添って朝霞駐屯地の門前で信号待ちをしていた。

坂本  ついに戦争法案通ったな 不安な毎日だな、説明はあったか、母ちゃんも心配しているだろう?

A隊員 ええ・・・全く説明なく不安です。

B隊員  上官から安保法制について隊員とも部外者とも一切話すなと言われています。失礼します。オイ、行くぞ。

二人は青信号になり、去って行った。

私は都内の2ヶ所の自衛隊駐屯地などに以下の書類を持参した。

戦争法案の廃案と自衛官の人権擁護を求める要請書並びに自衛隊員と家族・恋人のための安保法案集団的自衛権行使相談・FAX概要(9月12日と13日 26名分) と労働弁護団結果報告書(9月12日と15日 14名分)である。

私は自衛官たちに「仕事を終え国会に何度も足を運び”自衛官の命を守れ”と叫んだ。国会正門に3日間泊まり込みで頑張る仲間もいた。精一杯やったつもりだ。戦争法を廃案にできず申し訳ない。今後、戦争に賛成した自民・公明などを参院選で落選させ、戦争法に反対した野党が伸びなければならない。戦争法廃止に向けて頑張る」と、自衛官たちへ上記の書類を見せ、以下概要の説明をした。

・  デモに参加するな、バレたら俺は不穏分子になる婚約破棄だと言われた

・  弁護回の相談窓口へのコンタクトを禁じられた

・  部隊から説明ない、せめて家族など含め相談会を・・・不安で夜も眠れない

・  戦争に行くことを前提に入隊したわけじゃない

・  小さな子どもが2人いる、やっとささやかな幸せを得た、パパを持って行かれたら

・  上官にこういう仕事なんだから、墓くらいはどこか調べておけと言われた

・  住宅ローンもあってやめられない、

・  洗脳され、中国が攻めてくると思い込んでいる

・  訴訟起こしてほしい、原告になる

 

自衛官の妻や母などの涙ながらの弁護士への訴えに共感を得た。

自衛隊内では安保法制を聞くことも話すことも御法度の世界、シャバに出て飲み屋でも話せない、恋人にも母親にも同様だ、自衛隊の周りはスパイだらけの社会でもあるからだ。

自衛官たちは私に「その文書をコピーさせて」と話しかけてきた。

 

他人事な人たちも

陸上自衛隊広報センター(埼玉県朝霞市)は今日も若いパパやママが子どもたちを連れて遊びに来ていた。

センターに来ている参加者に声を聞いた。

お子さんを自衛官にさせるの?と聞くと、共通して

「戦争する法律が通ってとんでもない、子どもは自衛官にはさせないわ」

なぜ来たの?と聞くと、

「ネットや雑誌で。なぜって、タダで遊べるから来ているだけなの」と自衛官の目の前でも言い放つ。

子どもたちに迷彩服を着させ、戦車の前ではしゃぎまわらせていた。

 

自民党区議会議員や支持者たちは?

先の練馬区議会選挙では毎日しかも、一日中駅に立って演説していた練馬区議会議員(自民)がひさしぶりに駅で宣伝をしていた。

私は議員に「ついに戦争法を強行しましたね。区内1万人をこえる自衛官やその家族はどうなるのか」と問いかけた。

議員は熱病にうなされたように事実を捻じ曲げ、

・  50%が安保法制賛成だ!

・   6月の練馬区議会第二回定例会では、安保法制を慎重審議するよう意見書を可決し、国へ提出した!

と、繰り返し言い続けた。

私は「そのような意見書はないはずなので区役所へ行って確かめる。来年の参院選は自民党を落選する運動をしますよ」とその場を離れようとした瞬間、AKBの握手会でも真似たのだろうか、議員は騙して気持ちが変わるよう握手を求めた。

練馬区議会事務局を訪問し、第二回定例会の意見書を調べると「自民党の先生の言うような国に提出した安保法制に関わる意見書はありません」という返事が戻ってきた。

区議会議員(自民)は、ラグビー場と化した薄暗い国会でのやり取りが、民主主義とはかけ離れていることが少し分かり、有権者には事実とは違う言葉を言い続けているように見える。自公政権は最後まで1959年の砂川事件の最高裁判決を“錦の御旗”にして国民をだまし続けたが、柳の下にまたドジョウがいると思っているのだろうか。

ちょうどその日の夕暮れだ、練馬区内の小さな飲み屋で、砂利・砂やセメントなどを扱う建材屋の社長が「従業員も多く抱え仕事は大変だ。地元の声だけ聞く区議なんてだめだ。国を見ろ。これからは“強い経済”だ。俺が安保法制賛成と言っても区議(自民)の馬鹿どもが理解しないで、俺の意見に反対している」と、来年の参院選挙で自民が勝って仕事がまわってくることを期待して、微かな希望を描いているようであった。

翌日、

近所の通学路の曲がり角に青少年育成の標語と自民党のポスターが隣り合わせにあった。

“悪いこと  見ぬふりするより 言える友” 

左隣には戦争法案に賛成した地元選出衆院議員(自民)のポスターの下に“命をまもる政治!”と印刷してあった。決して落書きではないようだ。

聖書の箴言17章20節を開くと 「心の曲がっている者は善いものを見いだすことがなく、舌のねじれている者は災いに陥る。」とある。

広報センター内の攻撃ヘリコプター( コブラ)の飛行と敵を機関銃で攻撃する シーンを疑似体験できる「フライトシミュレーター」に並ぶ親子たち

広報センター内の攻撃ヘリコプター( コブラ)の飛行と敵を機関銃で攻撃する
シーンを疑似体験できる「フライトシミュレーター」に並ぶ親子たち

小学校の通学路で見かけた青少年育成の標語と並ぶ自民党のポスター

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