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【NPJ通信・連載記事】高田健の憲法問題国会ウォッチング/高田 健

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安倍政権の明文改憲の企て、緊急事態条項改憲論のまやかし

2016年2月4日

自民党による明文改憲策動の経過

自由民主党は1955年の立党以来、その「党の使命」並びに「党の政綱」の中に「現行憲法の自主的改正をはかり、また、占領諸法制を再検討し、国情に即して、これが改廃を行う」と記して、「押しつけ憲法論」を根拠に、とりわけ第9条をターゲットとした明文改憲(自主憲法制定)をめざしてきた。しかしながら、自民党の歴代政権は広範な有権者の中に改憲、なかんずく第9条改憲への根強い警戒心があるために、明文改憲を可能にする条件(両院の3分の2の賛成による発議)をつくり出すことができなかった。2000年1月に国会に憲法調査会が設置されると、その議論の過程で自民党委員からも疑問が相次ぐなどして「押しつけ憲法論」が事実上破綻し、改憲派の議論のなかでは第9条を回避して、一般に支持を受けやすいと考えられた「新しい人権」の導入を口実にした改憲論が強まった。それは現行憲法が「環境権」や「プライバシー権」「知る権利」などの保障を明記する条項がなく、これら新しい人権条項を導入すべきだと主張するものだった。これには自民党だけでなく、与党公明党や野党民主党の一部も積極的に呼応し、特に公明党はこれをもって「改憲ではなく加憲」だなどと主張した。

しかし、この新しい人権条項導入論も思うように広がらず、憲法調査会など自民党内での改憲路線の十分な合意もないまま、第1次安倍政権は安倍総裁の「任期中の9条を中心とする改憲」をめざした。これに対し世論は大きく反発し、安倍政権は窮地に追いつめられ、崩壊した。2009年夏の民主党による政権交代が起こると、野に下った自民党は2012年に復古主義色濃厚な「自民党改憲草案」を発表し、現行憲法の全面的な改憲を提起した。この草案の基本的理念は現在の第2次、第3次安倍政権に受け継がれている。しかしながら、この自民党改憲草案をそのままで世論の支持を得ることは不可能であり、やむなく第2次安倍政権は明文改憲のターゲットを99条改憲にずらして、からめ手から推進しようとしたが、これも世論の大きな反発の中で、失敗した。

その結果、前面に登場したのが、憲法9条の集団的自衛権に関する従来の歴代内閣の憲法解釈を変え、9条をそのままにしたまま戦争法を策定するという立憲主義に反した「解釈改憲」の強行だった。従来の政府解釈を維持してきた内閣法制局の長官の首をすげ替え、閣議決定に持ち込むという強引な政治手法をとるなどして、安倍政権は2015年9月19日、戦争法を強行成立させた。しかし強行採決したとはいえ、圧倒的多数の憲法学者をはじめとする法曹界の人びとがこぞって指摘したように、この戦争法は立憲主義を踏みにじるものであり、憲法違反であることは否めない。この矛盾を解決するには第9条の明文改憲による以外にない。安倍政権にとって、9条改憲は至上命題となった。この道は安倍政権にとって、容易ならない道である。

そこで緊急事態条項改憲論が明文改憲の前面に浮上してきた。

緊急事態条項附加の明文改憲論の急浮上と立憲主義の破壊

2015年9月に「戦争法」を強行採決した安倍政権は、憲法53条によって当然開かれるべき秋の臨時国会の開催要求をスルーして戦争法の論議を回避し、2016年早々の通常国会に臨んだ。安倍首相は年頭会見で「憲法改正についてはこれまで同様(などというが、先の総選挙を含め、実際の選挙戦で安倍首相が改憲を積極的に訴えた事実はない)、参議院選挙でしっかりと訴えていくことになります。同時にそうした訴えを通じて国民的な議論を深めていきたいと考えています」とのべ、衆院本会議などで、具体的な改正項目に関しては、「国会や国民的な議論の深まりの中で、おのずと定まってくる」と曖昧な発言をくり返した。しかし、野党の追及の中で、改憲条項の一つとして挙げられている「緊急事態条項」の新設に関し「緊急時に国民の安全を守るため、国家と国民が果たすべき役割(憲法で国民に義務を課すという反立憲主義の主張)を憲法にどう位置付けるかは、極めて重く大切な課題だ」と、これを先行する姿勢を明らかにした。さらに安倍首相は1月15日の衆院予算委員会で自民党・片山さつき議員の質問に対し、「大規模な災害が発生したような緊急時において、国家、そして国民みずからどのような役割を果たすべきかを憲法にどう位置づけるかは極めて重く大切な課題だ」と答えるなど、「緊急事態条項」の議論を促進する考えを示した。

安倍首相は7日午前の参院本会議での代表質問で、憲法改正について、「多くの党・会派の支持をいただき、国民の理解を得る努力が必要不可欠だ」と述べ、民主党など野党に協力を求める考えを強調した。そして10日のNHKでの報道では、夏の参院選について「自公だけではなく、改憲を考えている責任感の強い人たちと、3分の2を構成していきたい」と述べ、自民、公明両党のほか、おおさか維新の会など憲法改正に積極的な与党よりの政党を合わせて、憲法改正の発議に必要な3分の2の議席確保をめざす考えを示した。

安倍首相が参院選で改憲を問う意志を示した理由は、とりわけ緊急事態条項の新設などの改憲論(他に考えられているテーマには「環境権」の附加、89条私学助成問題への対応、83条財政規律条項の改憲などがある)が、民主党などもその必要性を否定していないという経過からみて、各政党と世論の賛同を得やすいものとしての読みがある。これは一部メディアからは「お試し改憲」と指摘されているもので、これを明文改憲の足がかりとして、自民党改憲派がねらう本丸である第9条の改憲に迫ろうとするものである。

この間の安倍政権による「9条改憲」→「新しい人権」→「96条改憲」→「集団的自衛権に関する憲法解釈の変更」→「緊急事態条項の導入」などというめまぐるしいほどの改憲の動きの変転は、彼らの改憲論がいかに立憲主義を無視、破壊して、憲法を自らの政権に都合の良いものに変えるための姑息きわまりないものであるかを示している。安倍首相はこのところ、口を開けば「自由と民主主義と法の支配」という立場の重要性を強調するが、実際には安倍首相らのやっていることはそれと正反対の立憲主義の破壊である。

緊急事態条項とはなにか

憲法に緊急事態条項を導入すべきだとの議論は、この間、2011年の東日本大震災の際にも自民党改憲勢力によって叫ばれたが、大災害や戦争などの緊急事態の発生時に政府の権限を強化する規定である。

2012年の自民党改憲草案の「第9章 緊急事態」の98条、99条には以下のように規定してある。

98条 緊急事態の宣言

1項 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる

99条 緊急事態宣言の効果

1項 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。

3項 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」(下線は筆者)

こうして、この改憲案の目的は「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態」に対応するものであることを明らかにし、さらにこれを解説する自民党の改憲草案「Q&A」は、第99条3項に関して以下のように解説している。

「現行の国民保護法において、こうした憲法上の根拠がないために、国民への要請は全て協力を求めるという形でしか規定できなかったことを踏まえ、法律の定める場合には、国民に対して指示できることとするとともに、それに対する国民の遵守義務を定めたものです」と。

これを見れば明らかなように、もしこの緊急事態条項改憲を許したら、「お試し改憲」などという軽く受け取られかねないネーミングとは異なり、立憲民主主義と日本国憲法の3原則の全面否定につながるものとなる。自民党改憲草案の99条の規定は時の政府権力者による戒厳令と独裁政治への道を保障するものに他ならない。このように重大な歴史の逆行を安倍自民党政権は、大規模自然災害などをダシに使って憲法に導入しようとしている。緊急事態条項の憲法への導入は事実上、憲法第9条の根底的な破壊である。

緊急事態条項は憲法には全く不必要

緊急事態条項を憲法に挿入すべきだという改憲論者の見解の第1は、現行憲法では衆院選が緊急事態と重なった場合、国会に議員の空白が生じてしまうので、特例として会期の延長を認めるべきだという類のものだ。

これは改憲のためにする議論そのものだ。

こういう場合を想定して日本国憲法54条2項、3項には以下のような規定がある。

2.衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。

3. 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

万々が一、衆議院議員が存在しない事態に緊急のことが生じた場合には、臨時の措置として、参議院がそれに対応できるし、参議院は選挙においても半数ごとの改選であり、国会が全く空白というようなことはあり得ないのである。

第2に、先の東日本大震災や、フランスのテロのような事態が生じた時に、憲法に緊急事態条項がなければ、うまく対応できないという議論がある。

しかし、災害対応については「災害対策基本法」があり、首相は閣議で「災害緊急事態」を決め、布告をだして、緊急措置とることができるとされている。東日本大震災を口実にして憲法に緊急事態条項が必要だなどと強弁する議論は噴飯ものである。自民党は先の3・11に際して民主党政権の対応が不十分だったということで、これを主張するが、党利党略の強弁でしかない。

また、日本に対する急迫不正の侵害が起きたときに、これに対応するための緊急事態条項が必要だという議論をする人びとがいるが、これには(私見の留保付きで言えば)歴代政府が策定してきた専守防衛を旨とした自衛隊法で対応できるという反論が成り立つだろう。あえて、私見を留保して述べたわけだが、筆者は「専守防衛論」も含めて、外部からの侵略に対して武力で防衛するという議論には賛成できない。まず第1に戦争が起きないような国際環境を外交努力、民間外交などを尽くして、いかに形成するかという課題がある。戦争は自然災害とは異なり人災であり、防ぐことは可能だと考えるからである。しかし、この議論はさておいても、自然災害や侵略を口実にして改憲派がいうような緊急事態条項を憲法に設ける必要は全くないことは明らかだ。

さらに昨年11月にフランスのパリで発生した同時多発テロでフランス政府が緊急事態宣言を発したことにならい、人びとの危機感を煽り立て、日本国憲法に緊急事態条項を書き込むことが緊急に必要だ、それは「世界の常識だ」という議論がある。これがいかにまやかしの議論であるかについては、雑誌『世界』16年1月号で長谷部恭男・早大教授が「日本国憲法に緊急事態条項は不要である」という論文で論破しつくしている。長谷部氏によれば、フランス政府のこの対応はフランス憲法の戒厳令条項とは全く異なる「1955年4月3日の非常事態に関する法律」によるものだ。これを改憲論議にすり替える議論を長谷部氏は強く戒めている。

この問題についていえば、テロの危険を煽るまえに、憲法第9条の精神に反して、多国籍軍のシリア爆撃を支持したり、資金援助をするような外交こそやめるべきである。テロは報復戦争ではなくならない。テロを根絶するにはその根源としての「戦争・貧困・差別」を除去するようなとり組みにこそ力を注がなくてはならない。

この長谷部氏と杉田敦法大教授が1月10日の『朝日新聞』で「緊急事態条項は必要か」という対談をしている。そのなかで、長谷部氏はフランス憲法の非常事態条項は「要件が厳しいため、ドゴール政権下で1度発動されただけ」といい、「英国にはもともと憲法典がないので、すべて法律で対処し」ており、「米国憲法には緊急事態条項はおかれていない」として、これらの国々が憲法に緊急事態条項を必要としていないこと、憲法に緊急事態条項がある「連邦国家のドイツでは、立法・行政権限が州と連邦に別れているので、緊急事態では州の権限を連邦に吸い上げる必要があるため」であり、「(日本は)憲法に緊急事態条項を設ける必要はありません」とのべている。

なぜ、日本国憲法に非常事態条項がないのか

この問題は、1945年、アジア・太平洋戦争、15年戦争の結果、ポツダム宣言を受け入れ、それを基礎に日本国憲法を制定したことに由来する。それまでの大日本帝国憲法には非常事態条項が存在し、それらがこの国をアジア・太平洋戦争に導いた。現行憲法が先に述べた54条のような規定を除いて非常事態条項を持っていないのは、まさにアジア・太平洋戦争に至る帝国憲法下での侵略戦争の反省によるものであり、欠陥などではない。

現行憲法制定時の国会で以下のような議論があった。

第90回帝国議会の衆議院における日本国憲法制定時の関係会議録より(帝国憲法改正案審議の会議録)昭和21年7月15日(月曜日)午後1時48分開議

●金森国務大臣 (略)非常ト云フコトニ藉リテ、其ノ大イナル途ヲ残シテ置キマスナラ、ドンナニ精緻ナル憲法ヲ定メマシテモ、口実ヲ其処ニ入レテ又破壊セラレル虞絶無トハ断言シ難イト思ヒマス、随テ此ノ憲法ハ左様ナ非常ナル特例ヲ以テ――謂ハバ行政権ノ自由判断ノ余地ヲ出来ルダケ少クスルヤウニ考ヘタ訳デアリマス、随テ特殊ノ必要ガ起リマスレバ、臨時議会ヲ召集シテ之ニ応ズル処置ヲスル、又衆議院ガ解散後デアツテ処置ノ出来ナイ時ハ、参議院ノ緊急集会ヲ促シテ暫定ノ処置ヲスル、同時ニ他ノ一面ニ於テ、実際ノ特殊ナ場合ニ応ズル具体的ナ必要ナ規定ハ、平素カラ濫用ノ虞ナキ姿ニ於テ準備スルヤウニ規定ヲ完備シテ置クコトガ適当デアラウト思フ訳デアリマス、

この議事録をひらがな使いに改めると、以下のようなものになる。

●金森(徳次郎:筆者注)国務大臣

(略)非常ということにかりて、その大いなる途(みち)を残して置きますなら、どんなに精緻なる憲法を定めましても、口実をそこに入れて、また破壊されるおそれが絶無とは断言しがたいと思います。

したがってこの憲法は左様な非常なる特例をもって──いわば行政権の自由判断の余地をできるだけ少くするように考えたわけであります。

したがって特殊の必要が起りますれば、臨時議会を召集してこれに応ずる処置をする、又衆議院が解散後であつて処置の出来ない時は、参議院の緊急集会を促して暫定の処置をする。

同時に他の一面において、実際の特殊な場合に応ずる具体的な必要な規定は、平素から濫用のおそれなき姿において準備するように規定を完備して置くことが適当であろうと思うわけであります。

ここで金森国務大臣は衆院解散後の「特殊」な事態への対応も含めて想定して論述するだけでなく、逆に緊急事態条項をもった場合の危険性を大日本帝国憲法下での経験から指摘している。まさに安倍政権など現在の改憲派が非常事態条項を導入する目的は、金森がいうところの「破壊」を狙うが故であると言わねばならない。

非常事態条項改憲論を、戦争法、9条改憲と一体のものとしてとらえ、反撃を

以上、見てきて明らかなように、安倍政権とその与党が喧伝する非常事態条項改憲論は、第9条明文改憲のためのまやかしである。憲法違反の戦争法を強行採決したとはいえ、この法律が憲法違反の疑いが濃厚だという法律の本質は変わらない。安倍内閣はこの戦争法の安定化を図るためには憲法を戦争法に合わせて変えるしかない。今回の参院選で改憲をこのように主張する背景にはこの企てがある。

そこでとりあえず、多くの政党や世論の合意を得ることができそうな非常事態条項改憲から始めて、明文改憲への流れを作ろうと企てている。もしも、この非常事態条項などによる改憲を実現させるようなことがあれば、第9条をはじめとする平和憲法の事実上の破壊であり、次は第9条をはじめとする憲法の明文による全面的な破壊である。自民党の憲法改正草案がそのゴールであろう。

かつて第2次世界大戦で日本と3国同盟を結び、侵略戦争を推し進め、人類に大きな被害を与えたヒトラーのナチスドイツは、民主的憲法として有名だったワイマール憲法の下で、政権を握り、それに規定されていた「国家緊急権」の解釈によって、1933年の国会議事堂放火事件を契機に緊急事態を理由にした「全権委任法(授権法)」を成立させた。それによって、ワイマール憲法が保障していた国民の諸権利を「永久停止」させて独裁政権を樹立した歴史がある。自民党の改憲草案の第3項のように「緊急事態」を理由に特別な統治状態を認め、「憲法の一時停止」を容認して民主主義を崩壊させたこの歴史的経験は忘れてはならない。この歴史が、今や安倍政権のもとで単なる歴史ではなくなり、現実の危険性を帯びたものとなりつつあることに注意を払わなくてはならない。

多少論点がそれるが、市民運動の一部に「9条国民投票」論がある。この議論は改憲派の9条改憲を阻止するためにも憲法国民投票をおこなう方がいいという立場である。筆者は「国民投票」を一面的に美化するこの議論は危険だと考えている。そうした「国民投票」はプレビシットと呼ばれるもので、為政者が国民投票を利用して、自らの企てを正当化するのである。このプレビシットを最も頻繁に利用したのがヒトラーである。全権委任法につづいて、1933年の国際連盟脱退、34年の総統就任、38年のオーストリア併合などで、これらのファシズムの政治を「国民投票」を利用して「民衆の支持」を得たように演出した。「国民投票」は時によって容易に、この扇動手段を利用して、一方的に反対勢力を攻撃し「人気」を獲得するポピュリズムによる独裁者の手段となりうる。

安倍政権のような独裁的な政権の下で、「国民投票」が公平に行われるなどという幻想を振りまくべきではない。権力者はあらゆる手段を通じて、自らに都合の良い「国民投票」がおこなわれるように制度設計し、彼らの企てる改憲を実現しようとするに違いない。間違っても、「緊急事態条項」を憲法に導入すべきか、否かの「国民投票を」などという危険な迷路に陥らないようにしなくてはならない。

私たちは立憲主義を破壊する政治を推進する安倍晋三政権が、日本国憲法の明文改憲、自民党改憲草案の実現に血道をあげ、この国をふたたびアジアにおいて、戦争をする国にしようとする(今度は米国と共に)ことを許すわけにはいかない。

7月の参院選に安倍政権が緊急事態条項の導入などを掲げて、改憲に必要な議席の確保に打って出ようとしていることは重大だ。緊急事態条項導入の改憲論を徹底的に暴露することで、安倍改憲政権に反撃し、安倍政権与党を敗北させる課題は、この社会の進路を左右する、当面する政治闘争の最大の課題になった。戦争か、平和か。独裁か、民主主義か。この対置は決して大げさではなくなった。

「戦争させない、9条壊すな!総がかり行動実行委員会」をはじめ、昨年の2015年安保闘争を闘った勢力が共同して、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」という新しいプラットフォームを生みだし、参議院選挙において、野党の共同を要求し、安倍政権に挑戦している闘いは歴史的な闘いである。戦争法と改憲に反対する野党は、せまい党利党略の政治を抑制し、とりわけ32選挙区ある1人区での野党連合の大義につき、安倍政権与党を打ち破らなくてはならない。

(許すな!憲法改悪・市民連絡会会報「私と憲法」177号所収)

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