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【NPJ通信・連載記事】高田健の憲法問題国会ウォッチング/高田 健

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戦争法の廃止!安倍政権退陣!めざして、総がかりの大連合を!
2000万統一署名で、参院選の勝利を!

2016年3月13日

2月19日、野党共同の大きな進展

2016年2月19日、総がかり行動実行委員会の呼びかけで国会議員会館前に7800人の市民が結集して、戦争法廃止、野党は共闘を叫んだ。集会に参加した野党各党の幹事長、書記局長らはそれぞれのスピーチのあと、しっかりと手を組んだ。集まった市民の前で、この通常国会に野党共同の安保法制(戦争法)廃止2法案が提出され、参院選での野党の共同が確認された。集会に結集した市民は万雷の拍手でこれを歓迎した。筆者は「ようやくここまでたどり着いた」という思いで、枝野幹事長の報告を聞いていた。

ねばり強い努力の過程で

昨年9月19日未明の国会議事堂を取り囲んだ市民のコールを忘れない。「戦争法は憲法違反!」「野党ガンバレ!」はまさに私たちの叫びだった。そして19日午前9時、国会正門前に数百人の市民が再結集し、闘いを継続することを誓い合った。

以来、総がかり行動実行委員会は、戦争法廃止の2000万人統一署名を提起し、戦争法廃止と沖縄辺野古埋め立て反対、原発再稼働反対などの闘いを結合して、毎月19日の行動と、毎月第3火曜の統一街宣など、全国的な運動を継続する方針を掲げた。そして12月には学者の会やSEALDsなどとともに5団体で「市民連合」を立ち上げ、戦争法の廃止法と、参院選での野党の共同を呼びかけてきた。

特に衆院北海道5区の補欠選挙をめぐって、市民団体「戦争させない北海道をつくる市民の会」の仲間たちは、これを夏の参院選の前哨戦と位置づけ、予定候補の的を絞って、すばやく動き出した。しかし、政党間の候補者調整がなかなか進展せず、困難な局面がつづいたが、本誌前号での北海道の仲間の報告にみられるような市民運動のねばり強い努力がつづけられ、2月18日、統一候補が実現するという画期的な成果をおさめることができた。この北海道の朗報は、市民連合結成以来2ヶ月に近い期間、2月初旬の参院熊本選挙区での市民連合と候補者の政策協定の調印につづく大きな前進だった。そして、2月19日、午前の5野党党首会談での画期的な合意が実現した。

野党合意事項

19日夜の総がかり行動実行委員会の国会議員会館前の集会で、共産、社民、維新(生活はメッセージで参加)の各党代表が勢揃いする下で、民主党の枝野幹事長が発表した野党党首会談での確認事項は以下の通りだ。

①     安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通の目標とする。

②     安倍政権の打倒を目指す。

③     国政選挙で現与党およびその補完勢力を少数に追い込む。

④     国会における対応や国政選挙などあらゆる場面でできる限りの協力を行う。

そして、5野党の幹事長・書記局長は、これらの確認事項の目的を達成するために、早急に協議し、その具体化を進める、というものだ。

これは5野党が共同して、戦争法の廃止と、集団的自衛権の行使に関する政府解釈の変更を決めた閣議決定の撤回を目標に、国政選挙などでできる限りの協力を行うという確認で、この間、市民連合をはじめ、多くの人びとが求めてきたものであり、極めて大きな前進だ。2015年安保闘争が作りだした国会外の運動の大連合が、国会内での野党の共同から、さらに参院選での画期的な野党間協力にまで発展させたものであり、戦後政治史上かつてない大きな出来事だ。この事態を切り開いたエネルギーは全国各地で奮闘する広範な市民の声であり、これが総がかり実行委員会や市民連合に結実して、野党各党を後押しした。選挙は政党にとって、その政治生命に直結するものであり、野党各党の間には深刻な利害の対立が存在し、選挙協力の実現は容易でない課題だ。

しかし、2015年安保闘争を戦争法案廃案、安倍政権退陣をめざして闘った広範な市民運動は、法案が強行成立させられた後も闘い続けた。市民運動は、この戦争法の廃止法を野党が共同で提出することと合わせて、安倍政権を退陣させるため、次期参院選での野党各党の共闘を強く要求して、各種の集会などの街頭行動や、戦争法廃止をめざす2000万人統一署名運動を広範に展開しながら、ひきつづき運動を堅持してきた。全国の津々浦々、いたるところで、寒風など冬の悪天候をものともせず、街頭や地域での市民の献身的な行動が展開された。

闘いの継続と市民連合の誕生

この問題では、強行採決を見越した共産党がいちはやく動いた。2015年9月19日午後、日本共産党第4回中央委員会総会が開かれ、志位委員長が「『戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府』の実現をよびかけます」を発表した。声明は安倍内閣の戦争法の強行に反対して、戦後かつてない新しい国民運動が広がり、それを背景 に野党の共闘も発展したこと、戦争法廃止 で一致する政党・団体・個人が共同して国民連合政府をつくることをよびかけ、この国民連合政府で一致する野党が、国政選挙で選挙協力をおこなおうなどとよびかけた。

これは政界や運動圏にさまざまな議論を呼んだ。与党は民主党などの野党に対し、共産党と手を組んで政権を作るつもりかと、反共主義に依拠したキャンペーンを展開し、「野合」批判を強めた。社民党や生活の党は基本的には共産党の提案を支持したが、民主党は態度をはっきりさせなかった。その後、民主党は枝野幹事長が中心になって、野党各党と市民団体を招いて懇談会を開催、今後の共同について話し合った。懇談会は都合、2回開催されたが、野党共同は容易にすすまなかった。同時に進行していた衆院北海道5区の補選の候補者一本化も、市民団体「戦争させない北海道をつくる市民の会」などの努力が事態をかなり切り開いていたが、新党大地(鈴木宗男代表)などの動きもあり、暗礁に乗り上げつつあった。

この枝野氏らの懇談会に出席した5つの市民団体(総がかり実行委員会、立憲デモクラシー、学者の会、SEALDs、ママの会)は後に、戦争法廃止と参院選の選挙協力を考える新しいプラットホーム「市民連合」を設立した。そして、新年1月5日の新宿西口大街宣行動や、シンポジウムなどを開催しながら、各方面への働きかけを強め、2月11日には熊本選挙区の候補者との政策協定にまでこぎ着けた。

民主党の中では、党内右派の動きもあり、とりわけ「国民連合政府」を条件にした共産党を含めた選挙協力には動きが鈍かった。一時は京都市長選で、民主と共産が対立したことなどもあり、すすまない野党共闘に市民運動圏でもいらだちが強まった。

戦争法の廃止法を民主と維新が単独で提出するような構えも生じ、総がかり実行委員会は特に戦争法の廃止で5党が足並みを揃えるべく、各党に働きかけを強め、市民連合は32の1人区での野党共同の実現に焦点を合わせ、働きかけを強めた。これら市民の動きに加えて、社民党や生活の党などの努力も合わせて、2月19日の総がかり実行委員会の国会行動に先立って、野党各党の廃止法案共同提出の動きが急浮上し、実現した。冒頭に書いたように、この日の夜の国会行動は、さながら廃止法案提出の報告集会の様相を呈することになった。

参院選の1人区の共同を足場に

この間、とりわけ焦点になってきたのは参院選の32箇所あるいわゆる「1人区」であり、市民連合はこれに焦点を合わせて働きかけを強めた。共産党は沖縄・熊本などを除く29選挙区で独自候補者を予定候補としてきた。民主党は繰り返し、共産党が独自候補

をおろすことへの期待を表明するだけで、容易に両党間の協議に踏み出さず、共産党支持者を中心に市民の感情を硬化させた。

20日に開かれた共産党の幹部会では民主党推薦の無所属候補がいる7選挙区、および民主党公認の候補と競合する14選挙区で候補者を取り下げる方向で野党間の協議・調整をすすめるという「思い切った対応をとる方針を確認」するという決定をした。

同党が昨年9月19日の第4回中央委員会総会の決定以来、共同候補の条件としてきた「国民連合政権構想」を事実上取り下げ、安保法制(戦争法)廃止の1点での共同に絞ったものだ。野党共同の高いハードルになってきた「国民連合政権構想」が脇に置かれた。国政選挙での野党共同が実現するならば、日本共産党の歴史の中でかつてないことであり、多くの市民の要求と願いに応えるものだ。民主党は誠実にこれに応えなくてはならない。

こうして参院選の1人区のかなりの部分で野党の統一候補のメドが立ちつつあるが、これらにしてもまだ各政党間の調整にゆだねられているところもあり、また新潟選挙区のように各党の有力候補が乱立するところもあって、課題は多く残されている。さらに、市民連合もこれら1人区の共同候補の擁立に力を入れながら、複数区での闘いにも目配りをしていく課題が残っている。

そして何よりも、統一候補の擁立は、選挙闘争の第一歩にすぎず、これが各地で与党候補をうちやぶっていく本格的な選挙戦はまさにこれからだ。与党筋からは衆参ダブル選挙などの変化球の情報も流されている。

しかし、それにしても、偉大な一歩が踏み出された。私たちは全国の市民運動が切りひらいたこの新しい情勢に確信をもって、さらに大きな闘いに歩みをすすめていこう。

(「私と憲法」178号所収 高田健)

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