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時の政権”の支持率アップの おまじない か!?

北朝鮮ミサイル発射　
わが国は「引き続き、情報収集・警戒監視に万全を期せ」　
警戒監視に全力をあげる

2017年4月～5月、読売新聞などから
“東京メトロなど一時運転見合わせ　北朝鮮ミサイル受け”
“北朝鮮の挑発行為が続く中、長野県軽井沢町が防毒マスクや化学防護服などの購入を計画”
と、目に飛び込んで来た。
　ゴールデンウィークで危機管理の要である大臣たちは外遊中のため日本を留守にしていた。
　ゴルフに熱中している首相もいた。
5月14日(日)読売新聞は”北朝鮮ミサイル発射”との見出しで銀座や大阪等で号外まで出した。

　2009年3月、朝鮮民主主義人民共和国(以後「北朝鮮」という。)のミサイル発射に対応するため、朝霞駐屯地に、初めて地対空誘導弾ペトリオットミサイル(通称PAC3、Patriot advanced capability-3ペトリオットとは“愛国者”と訳すそうだ)が実戦配備としてやってきた。

 
2009年3月～2017年5月　8年3カ月間の自衛隊監視記録

　陸上自衛隊朝霞訓練場(東京都練馬区・埼玉県朝霞市など)は、朝霞駐屯地を含めれば、東京ディズニーランドの約3・2倍　周囲約5キロ(1,630,365㎡)の広さがあり、とても大きい。
　たまたま私が話した自衛官がそうだったのだろうか?
　私は、ここ1～2年で延べ数百人の自衛官とお話する機会(観閲式も含め)に恵まれたが、自衛官の大多数は“安保法”に疑問を持っている。

1　2009年3月　麻生内閣(自由民主党・公明党)
　朝霞訓練場に隣接する埼玉県立朝霞高校の前には、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市など)や霞ヶ浦分屯基地(茨城県土浦市など)・武山分屯基地(神奈川県横須賀市)などから、PAC3ミサイルを積んだ発射機4セットなど様々な車両や空自の自衛官たちが勢ぞろいした。
4月、訓練場は早朝から冷え、息が白い。泊まりがけの自衛官たちは凍えながら毛布と目出し帽姿でフェンス近くで(テロリストはいないか!?)周囲をキョロキョロしていた。　手がかじかんで小銃が持てないようだ。(上写真)　

フェンスの外では花見か下見か　
私にも望遠鏡 見せて～ もうすぐ撃ってくる時間よね～
これで北朝鮮のミサイル撃ち落とすのね(上写真)　

 
　朝霞訓練場内は、小銃で武装した陸上自衛隊の第32普通科連隊(埼玉県さいたま市)所属の自衛官たちが、隣接する土手から神社・公園・お墓の周辺までを鉄条網で囲み、フェンスの中から公園内の花見の客などを監視していた。
　自衛官は、私に“アメリカ軍には自衛隊は絶対服従だ、どうして、米軍司令部の横田基地には配備しないんだ”という疑問を投げかけさせた。
　時折訓練場から、“ピ～”と言う大きな警笛が聞こえてくる。
　自衛官は「すごく強い電磁波を出すPAC3専用レーダーの照射訓練開始の合図の音だ。上官の命令で合図があったら、我々はすぐに電磁波の影響を少なくするため建物に非難する。」と簡単に教えてくれたのだが、・・・。
　フェンスの外側の住民や自治体へは電磁波のことなど全く知らされない。

　しかし、自衛官たちの警備は年々縮小され「緊張感」は長くは続かず・・・。

2　2012年3月　野田内閣(民主党・国民新党)
　朝霞射撃場(朝霞訓練場)を会場とする全国春季ピストル射撃競技大会(公益社団法人日本ライフル射撃協会主催)が、PAC3ミサイル配備のため中止された。
突然、「自衛隊より朝霞射撃場4/5～4/17まで使用不能、大会中止させて頂く」との通知が会員へ届く・・・。

3　2013年7月　第2次安倍内閣(自由民主党・公明党)
　北朝鮮のミサイル発射に対応するため、PAC3ミサイルが朝霞訓練場に配備され、全国夏季ピストル射撃競技大会は中止の予定になった。

　今まで、日本ライフル射撃協会はホームページに、北朝鮮のミサイル発射によりPAC3ミサイルを朝霞訓練場に配備するため大会を中止する等の説明掲載していたが、8月以降から自衛隊の情報が一切消えた。

　なお8月には、朝霞訓練場内で機関銃の実弾紛失事故が起きる。
　その年の暮に匿名自衛官から平和委員会に「正月くらい休ませろ!俺が無くしたわけじゃないのに連帯責任か?　正月も弾探しかよ。新聞沙汰にもならないしよ～。」と内部告発。
　弾は未だ発見できず。

　12月、国会において、文教科学委員会ぶんきょうかがくいいんかい)宮本たけし衆院議員(共産)は「日本ライフル射撃協会から、朝霞訓練場はスポーツ施設としては不適切だとの指摘がある。北朝鮮のテポドンが発射されたときに、ちょうど射撃大会の最中で、突然警戒態勢がとられて使用中止の命令が出され、選手、審判員など民間人はその場から退去を命じられた」と発言。

4　2014年3月
　北朝鮮のミサイル発射騒ぎになると、必ずPAC3ミサイルが朝霞訓練場に据え付けられるのだが、この頃から訓練場からPAC3ミサイルの姿が消えた。自衛官は「PAC3ミサイルは朝霞高校や公園の脇ではまずい、密かに人目を避け朝霞市膝折にある氷川神社の脇に移動配備が決定されたようだ」とささやく。
　その言葉のとおり神社の境内の坂道を上って行くと、いつものPAC3ミサイルにお目にかかった。ミサイルの発射向きは、今までとは違い、北の方角である朝霞市内を向いていた。

5　2015年5月
　国会において、文教科学委員会ぶんきょうかがくいいんかい)井上義行参院議員(当時自民)は「テロ対策・北朝鮮ミサイル発射で、全国春季ピストル射撃競技大会が、オリンピック予定地の朝霞訓練場で2年続けて中止になっている。ふさわしくない場所だ。私の地元神奈川県の伊勢原射撃場にせよ。」と発言。

6　2016年2月
　入間基地などから2つのPAC3ミサイルが朝霞訓練場に配備された。
　新座市営墓苑(埼玉県新座市)入口の歩道の木陰からはPAC3ミサイルが丸見え。
　100メートル先は住宅街だ。
　周辺警備は今までとは違い、2～3人の自衛官たちが刺股(さすまた)(江戸時代から伝わる警備道具)や小銃という身支度でのんびり構えている。
　散歩に来たお母さんたちが口を揃えて「あ～見えたわよ～　これなの～　物騒なこと!　帰るわよ」と怒って家路へ急いだ。
ミサイルここから見えるわよ～(上写真)

 
　3月、北朝鮮がスカッドミサイル発射。
　PAC3ミサイル配備の際、訓練場のフェンス内側に自衛官たちが鉄パイプを設置して、住民が覗かないよう、偽装網設置の準備を始めた。
　その後、数回北朝鮮のミサイル発射の度、自衛官たちは鉄パイプに偽装網をかけ、PAC3ミサイルが撤収すると、また外すという作業を繰り返した。

神社の裏で、葉っぱのような偽装網でかくれんぼするPAC3ミサイル。(上写真)

 
　その後、PAC3ミサイルはいつでも撃てるような体制ではなく、ミサイルを折り畳み寝そべっている。(収納)
　だが、3月26日午後、偉そうな上官を乗せたジープ(フロントガラスには桜の星を二つ貼り付けた)がPAC3ミサイルの視察にやってくる直前のことだ。
　突然ミサイルが“キーン”という大きなシリンダーの油圧音を立てむくむくと起き上がり、ミサイル本体が新座市営墓苑のフェンス前に出現した。
　例のジープが帰るとまた、いつものようにシリンダーの油圧からあの“キーン”という音をたてながらミサイルは折り畳まれた。

　3月、朝霞射撃場で、平成28年度全国冬季ピストル射撃大会(50m・25m)兼冬季ピストルNT(2020年オリンピックメダル獲得強化編成チーム)選考記録会(50m・25m)が開催された。
　日本ライフル協会所属の男性は「北のミサイル発射に備えPAC3は地下?に隠してあるようだ、選手たちはカメラの持ち込みが全員禁止になっている、オリンピックでは、観閲式をする朝霞訓練場に、仮設(88億7000万円)を作り、オリンっピックが終わったら壊すようだ。レイアウトはまだわからない、北朝鮮の選手団も来場するので自衛官も使用する射撃場には近づかせないだろう」と話した。

7　2016年5月31日、北朝鮮の中距離弾道ミサイルに対しPAC3ミサイル等を配備したのを最後に、2017年5月21日まで北朝鮮のミサイル発射が1年間に16回あったが、朝霞訓練場には一向にPAC3ミサイルを配備する気配はない。
　3年後の東京オリンピック開催まで、PAC3ミサイルが配備されることはないだろう。オリンピックが終わればPAC3ミサイルは役割を終え、アメリカ陸軍が開発した弾道弾迎撃ミサイル・システムTHAADミサイル(サードミサイル)という、バカ高い買物に手を出すのだろうか?
　9年前の騒ぎは一体何だったのだろう自衛官に聞いても、ただ笑っているだけだ。

　日本政府は、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、「いかなる事態にも対応」できるようPAC3ミサイル部隊を、度々、航空自衛隊入間基地等から朝霞駐屯地に実戦配備していたのだが、朝霞訓練場周辺の和光消防署(埼玉県和光市)や、練馬消防署(東京都練馬区)、そして自治体の職員たちは「自衛隊から朝霞訓練場にPAC3ミサイルを配備したとは一度も聞いてない」という。
　また、幹部自衛官は「周辺の消防署の職員さんたちと懇談した時、PAC3ミサイルが配備され、もし爆発したら我々の消防署では対処できないとも聞いている。朝霞駐屯地には小型の消防自動車しかない。駐屯地内の考え方ではなく、外で暮らしている住民の立場で考えないといけない。」と真面目に打ち明けてくれた。