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【NPJ通信・連載記事】練馬自衛隊基地ウオッチング~ダイコンと基地の街~/坂本 茂

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no23 地元住民による行進禁止の仮処分申請(東京地裁)が効いてきた

2014年5月6日

練馬駐屯地の最寄の駅は東武東上線東武練馬駅。
6月6日夕方、ごった返す駅前で宣伝した。


東武練馬駅前:「ホントですか? とビラを読む子供たち」

朝日新聞朝刊に出たの?
なあに? とビラ1時間で700枚

学生やサラリーマンが 「なんだ号外か。今日の朝日新聞に出てたやつ? 武器もって行進か」 「知らなかった? ここを通るの」 と。 700名のチラシを受け取った親子や友達同士踏切の開くのを待ちながら 「今日、説明会だって、なんかコエーからイカねーよ」 といいながら通り過ぎていく。

たった5日間で 「周知」 した
お粗末な前代未聞の 「住民説明?会」


急ごしらえの住民説明会会場

1時間の駅前宣伝終了後、自衛隊主催の 「レンジャー住民説明会」 に参加した。
自衛隊が数日前に急遽借りた西台3丁目集会所(板橋区)の住民説明会にはマイクロバスに便乗した高級幹部がそろった。 ひな壇の中央に第一普通科連隊(練馬)石井一将(1陸佐)連隊長。 脇には松尾幸成(1陸佐)、第一師団第3部長・宇田川信治(2陸佐)、法務官・蒲生義明(1陸佐)、総務課長の面々が勢ぞろいした。 その他高級幹部など30名が30名の住民を取り囲み、練馬駐屯地の広報と称する怪しげな隊員たちが終始ビデオをまわし続けた。 会場の外にはこれまた怪しげな警察らしい人々が会場の様子をうかがっていた。

こんな怪しい 「住民説明会」 は初めてだ。自衛隊には便利で遠くの住民には不便な会場。
なれない口調でレンジャー徽章を誇らしげにつけた隊長さんがザックをリックサックと言ってみたりやさしい言葉で 「説明」 を始めた。

◎ 当初2列歩行訓練を歩道1列行進にした。
◎ 北町の商店街(練馬区)は外し迂回する。
◎ レンジャー30名が17名に減った(脱落したのか理由なし)。しかし軽装の隊員を20名つける。合計37名になっただけだ。
◎ レンジャー訓練は3月19日~6月15日だ。
◎ 当初、顔に顔料塗布・ザック・小銃・銃剣携行。今回の表現はドーラン・リックサック・小銃を携行とした。 *表現方法がピクニックに行くようなリックサックとは笑える。銃剣の携行が消えた。

陸自
「住民への返答はうかつなことは言わず 最小限にとどめよ」

うん、いいこと言ってるじゃないか? と思いきや。
39回目のレンジャー訓練は今まで基地の中でやってきた、初めて外でやる理由は?
どうして銃を持つ必要があるの。
怖いわ、子供がトラウマになる。
ヘリが降りる河川敷に人がいたらどうするのか?
歩道におばあちゃんが座り込んだらどうするの?
人ごみでどくのがヤダといったらどうする?
銃を持つ意味解らない。知らない人がいっぱいいるわ、どうするの?
訓練場の中で出来ないか。
今回一回で終わりか。

思いつき回答・ウソばっかっり
こんなばかばかしい珍回答も出た。
住民:飲まず食わずの隊員が歩道で倒れたらどうする?
隊長:隊員の顔色を見ながら訓練しているから大丈夫だ。
ヤジ:顔が迷彩でどうやって顔色を見るんだ
住民:爆笑

山のような質問に隊長さんは防衛省の言い分とは違う 「訓練の想定は無い」 といい続ける。
説明にならない説明に住民の不満は爆発した。誰として賛成の意見を述べない。
「説明会」 が終わると住民よりさっさと回れ右と部下を残し帰ってしまった。

自衛隊の常識は世間の非常識
自衛隊の幹部は何をやっても許されるという考え方を持っているようだ。
会場の下級の女性自衛官に私が 「あなたも女性でしょう、もしあなたに小さな赤ちゃんがいて迷彩の顔に銃剣を持った自衛官が突然現れたら、 赤ちゃんは恐怖のあまり何日もおびえてふるえちゃうよ、かわいそうと思わないか?」 と訪ねると、目を真っ赤にはらし、涙がこぼれうつむいてしまった。
正門前で男性の下級隊員に 「レンジャー隊員を当日どうむかえるか」 と訪ねると、「みんなで出迎え拍手をします」 と誇らしげに語った。
平時に自衛隊が住民に受け入れられない状況をつくっておいて、イザ有事のとき住民が自衛隊を受け入れない関係をつくってしまったようだ。

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