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【NPJ通信・連載記事】時代の奔流を見据えて─危機の時代の平和学/木村 朗

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特別寄稿 「孫崎 享さんと 『終わらない占領』 を論じる」

2013年5月4日

△孫崎:こんばんは、孫崎でございます。よろしくお願い致します。今日は鹿児島大学の木村朗先生においで頂ました。 木村先生と私の接点は、木村先生が今度 「終わらない占領対米自立と日米安保の見直し」 という本の編者となりまして、5月に出版の予定です。 ここに私が二つばかりの論評を書いた、それで木村先生と知り合いになってるわけですけれども、 もう一つ木村先生は、私は 「戦後史の正体」 のあと、来年でしょうか、再来年でしょうか、とにかく核の問題の本を執筆して頂くということになっております。
この話は後ほどいろいろお話を伺うんですけれども、今日は大きく言って二つのテーマでお話して頂こうと思っております。 一つは冒頭申しました 「終わらない占領対米自立と日米安保の見直し」 という、この安全保障の問題と、それから原発の問題、 この二つについてお話を伺います。日本は今TPPの問題、オスプレイの問題等で本当に独立国、民主主義国家と言えるのかどうかということが、 単に言葉だけの問題じゃなくて、実体で問い直されなければならないような、そんな深刻な状況になっていると思いますけれども、 まずこの辺から先生のお考えをお伺いしたいと思います。先生よろしくお願い致します。

▲木村:こちらこそよろしくお願い致します。あの、私は去年6月の日本平和学会、沖縄大学であったんですが、 そこで米軍再編と馬毛島問題を報告させて頂きました。その時に最初に問題提起させて頂いたのは、日本はこれまで本当に独立国家、 民主国家であった試しがあるのかと、それは言えないのではないかという問題提起をさせて頂きました。 当時は、オスプレイ問題が争点になりつつあった時でもありました。沖縄の方の空気がかなり変わったなというようなですね、 その報告をさせていただいた後の、会場の方からの質問を受ける中で、非常に実感したところであります。

私自身の持論は、日米安保は段階的に縮小の方向へという方向性を主張しましたし、基地問題をめぐって、基地のたらい回しで、 沖縄と日本本土の間で溝が生じるような形で、その問題を処理することが一番日米両政府にとっては好都合かもしれませんけれども、 沖縄の方と本土の方、一般市民の立場からすればそれは避けなけなければならない問題ではないかということで、沖縄にはもちろん基地はいらないし、 本土にもこれ以上の基地はいらないという主張をさせて頂きました。 そうは言いながらも実際問題として、基地問題は動かなくて、結果的に沖縄に74%以上の基地負担が60何年以上も続くような状況で、 そういった本土にはいらないということで、本当にいいのかという問題を突きつけられまして、それについてはもちろん現時点で日米安保を肯定している、 結果的にもそれを受け入れている以上、本土の方もそういう覚悟を持たなければならないと、それはその通りであるというのは、 その場でも実感したんですが、やはりベストは基地の縮小であり、国外移転がベストの選択であるということで、 沖縄の方と本土の方が一致してそういう要求を出していく必要があると、そういう主張をさせて頂きました。

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