2009.12.10更新

二子玉川東地区再開発事業に関連する公金支出差止訴訟
〜世田谷区は二子玉川超高層ビル乱立の
超大規模再開発に多額の公金を支出するな
事件名:二子玉川東地区再開発事業に関連する公金支出差止訴訟
     〜世田谷区は二子玉川超高層ビル乱立の超大規模再開発に
     多額の公金を支出するな
係属機関:東京地方裁判所民事3部合議係
       平成19年(行ウ)160号
次回期日:11月20日に結審
       判決期日は追って指定
紹介者:渕脇みどり弁護士
連絡先:「にこたまの環境を守る会」 TEL/FAX 03-3709-5835 飯岡
     渋谷共同法律事務所 TEL 03-3463-4351 FAX 03-3496-4345


【事件の概要】
(1) 原告  住民監査請求をした世田谷区民133名
   被告  世田谷区長熊本哲之

(2) 請求の趣旨の概要
1 被告は本件再開発事業及びこれに関する補助金交付決定を含む一切の公金を支出してはならない。
2 被告は熊本哲之に対して、監査対象時期に本件再開発事業に関連して支出した金員及び利息を請求せよ。
3 被告は二子玉川東地区再開発組合に対し、監査対象時期に本件再開発事業に関連して支出した金員の支払いを請求せよ。

(3) 請求の原因の概要
本件再開発事業の都市再開発法違反
公共の福祉による目的がない。もともと都市計画公園の指定のあった場所を再開発しようとしている。

民法709条
地方自治法違反
  本件再開発事業による周辺住民の権利侵害は深刻であり、受忍限度を越える。
  151mの超高層ビルをはじめとして合計7本のビル建築
  25400台の開発交通量の増加による大気汚染被害、渋滞被害、交通の危険性
  建物の圧迫感、景観、眺望の被害
  地下水、わき水の枯渇、地盤沈下
地震、洪水の被害拡大等々複数の複合的被害が深刻である。
人格権侵害、環境権、住民のまちづくり参画権
(民事差止訴訟参照)
かかる明白かつ重大な違法行為を違法性を承継する財務負担行為は明らかに不当である。

  現在事業認可されている一部の事業だけで、300億円、将来的には関連事業も含めて、金700億円の公金の支出が予定されている。 これは世田谷区の1年の一般会計の予算規模が約2000億円であることを考えると異常に高額な金額であり、他の支出との関係でも公平性を欠き違法不当である。

(4) 提訴までの経過
  平成12年の都市計画決定のための住民説明会に弁護士も参加その後、住民運動として取り組んでくるが、全く住民の意思を入れないので、 平成17年3月頃、事業認可決定がおりそうだとのことで、提訴の相談を受ける。 住民の運動体は6団体の合同で、提訴に向けての意思統一、組織作り、弁護団の事実の把握、資料の精査等の準備し、平成17年10月民事の差し止め訴訟を提訴した。 この時点で住民訴訟の希望もあったが、支出の特定性の問題もあり、留保した。

  その後、平成18年4月25日に最高裁大3小法廷が羽村の区画整理事件について、特定性として十分であるとの判断が出たことで、提訴を決断した。 平成18年9月に前年度の決算報告を知り、同年12月11日世田谷区に監査請求を行い、翌年3月9日提訴した。

【手続の経過】
  2009年2月24日弁論準備手続きが行われ、ほぼ互いの争点整理が出そろいました。

  2009年4月24日東京地方裁判所522号法廷で、約1年ぶりに口頭弁論手続きが行われました。 裁判官2名が交替したので、口頭で原告と代理人が意見陳述を行いました。長い間風致地区として周辺一帯が高い建物の建築が制限され、 都市計画公園として指定されていた地域に、東急グループが最大容積率660%の建物、151mの超高層ビルを乱立させるという再開発事業がいかに不公正であるか、 切実に訴えました。

  裁判所は、都市工学の専門家である埼玉大学教授の岩見良太郎先生の証人尋問を採用しました。 主として財務会計行為の違法を審理の対象とする住民訴訟で、先行行為である都市計画決定そのものの違法性についての証人を採用したのは画期的なことです。


  7月17日の法廷では、岩見証人の証人尋問が行われ、本件再開発事業が公共の福祉を実現するものではなく、 市場原理による開発の欲望を規制せずに実現しようとするもので都市計画の名に値しないものであることを明確にわかりやすく証言しました。 さらに9月15日、原告は住民訴訟における違法性の承継についての法律論について、行政法学者である白藤博行氏の意見書を提出しました。

  これを元にした準備書面を提出した後、原告・被告それぞれが最終準備書面を提出して、11月20日に最終弁論を行う予定です。

【アピール】
  再開発事業がいかに民間大企業の利益に直結したもので、周辺住民の権利を犠牲にしているか、 さらに、行政はまちづくりを企業側と同じコンサルタントに丸投げして平気でいる様子にあきれる。

  今や、「開発=是」 の時代はおわったはずである。地球環境の問題として、不要な開発はすべていったん中止し、見直すべき。 しかも、億単位の高額な税金がノーチェックで特別扱いの即日処理で支出されている。その異常性を見るとき、益々、本件事業の違法性が明らかになる。

  マスメディア、市民メディア、フリージャーナリストの取材・報道を大いに希望します。

【カンパの振込先】
  郵便局 00130−9−612862 にこたまの環境を守る会

【書 籍】
  「『都市再生』 がまちをこわす 現場からの検証」
  建設政策研究所編 2004年5月15日発行 自治体研究社発行

文責 弁護士 渕脇みどり