目黒社会保険事務所職員ビラ配布事件(堀越事件)
事件名:目黒社会保険事務所職員ビラ配布事件 (堀越事件)
係属機関:東京高等裁判所第5刑事部 中山隆夫裁判長
次回期日:5月21日 13時15分〜 102号法廷
傍聴希望の方は先着順ですので早めに法廷にお越し下さい
(12時半ころまでにお越しいただければほぼ確実に傍聴
できます)
次回期日の内容:京都学園大学法学部講師の西片聡哉先生が欧州
人権条約における公務員の表現の自由の保障に
ついて証言します。
紹介者:佐々木 亮弁護士
連絡先:国交法弾圧を許さず言論の自由を守る会
|
【事件の概要】
ビラを配布していた社会保険事務所の公務員が国家公務員法違反として逮捕・起訴された事案。
弁護団は、国家公務員法・人事院規則の政治行為禁止の規定は違憲無効として争っている。
すなわち、政治的自由 (表現の自由) を過度に規制し、事実上、国家公務員の政治的自由を剥奪している国家公務員法・人事院規則の規定は、憲法違反である。
休日に職場と無関係な自宅周辺で、しかも誰かと話すわけでもないビラのポスティング行為は“犯罪”として処罰すべきではない。
【1審の裁判】
第1審は有罪の不当判決。ただし、罰金刑に執行猶予を付するという異例の判決で、むしろ本件を処罰することの不合理性が際立つ結果となった。
【控訴審の裁判】
控訴審2008年2月6の期日では、裁判長が交代しました。前任の裁判長が定年退官し、新たに中山隆夫裁判長が赴任しました。
そこで、弁論の更新 (裁判官の構成員が変わる際等に行われる手続) が行われました。
また、弁護団から提出した明治大学法科大学院高橋和之教授の意見書が採用され、要旨の告知が行われました。
メインイベントは国家公務員の労働組合 (国公労連) の前副委員長の山瀬さんの証人尋問でした。
山瀬さんは自らの経験と組合の幹部であった立場から、被告人のような国家公務員が政治的行為をすることを、罰則をもって禁止することのおかしさを証言しました。
3月26日の期日では、行政法の岡田教授 (早稲田大学法化大学院) が証言されました。
現在の国家公務員法に至るまでの歴史とその歴史の中で今の政治的行為の禁止規定がいかに異常であるかについて、非常にわかりやすく語られました。
そして、そもそも国家公務員法の目的に照らすと、本件のような行為に刑事罰を設定していることはもちろん、
それを警察主導で適用するということのおかしさも語られました。
また、猿払事件最高裁判決についても鋭い批判がなされました。
特筆すべきは、裁判長から補充質問があったことです。裁判長も行政法的なアプローチを無視することはできないということを強く感じました。
【一言アピール】
この事件は公務員の事件として見るというよりは、市民の権利の問題としてみて欲しいと思います。
今は、国家公務員への自由の制限ですが、いつの間にか国民一般への規制へとすり替わりかねない危うさがあります。
本事件の被告人は、一般の人であれば全く問題のない行為をしていただけです。国家公務員としての地位を利用したなどの事情は一切ありません。
それを長期間の尾行捜査の上、逮捕・起訴するという異常性を、よく味わってほしいと思います。
文責 弁護士 佐々木 亮


|