2011.11.14更新

薬害イレッサ訴訟

事件名:慰謝料請求事件
内  容:がん患者の命の重さを問う 「薬害イレッサ訴訟」
当事者:被害者遺族 vs 国ほか
係属部:東京高等裁判所第10民事部(裁判長 園尾隆司)
次回期日:2011年11月15日 13時15分〜
       傍聴券が配布されますので、12時50分前に裁判所に
       お越しください。
次回期日の内容:判決言渡し
       弁護団HP
紹介者:花垣存彦弁護士
連絡先:イレッサ薬害被害の会

【はじめに】
  2002年8月に、画期的な夢の新薬として販売された肺ガン治療薬イレッサで大勢の副作用死亡被害が起きました。 2008年3月時点での死亡者は、報告されているだけでも734人にも上っています。
  副作用が少なく延命の効果は高いはずのイレッサで何故このように大きな被害が起きたのでしょうか。 原因の究明に今声を上げないといつまでも仕方のない死として片付けられてしまうと、私たち被害遺族は立ち上がりました。
  抗がん剤の承認制度の問題、製薬会社の情報開示の問題、厚生労働省のガン医療への取り組みなどさまざまな問題を提起し行動して参りましたが、 これからも私たちは安心して抗がん剤治療を受けられるように行動してまいります。

【イレッサとは】
  アストラゼネカ株式会社 (本社:イギリス・日本本社:大阪市北区) から、2002年1月25日輸入承認申請が厚生労働省に提出され、 同年7月5日に医薬品として国の承認を受ける。同年8月21日に中央社会保険医療協がイレッサの保険収載を承認、 同年8月30日に保険適応 (一錠 7216.10円) になった分子標的薬といわれる手術不能または、再発非小細胞肺がんの患者に対する、錠剤タイプの肺癌治療薬です。

【被害事例】
  2001年9月、右肺に肺ガンがみつかり、切除手術を受けたが翌年7月の検査ではリンパ節などに転移ガンが見つかる。 治療にイレッサが選ばれ、服用始めて一ヶ月後に高熱に見舞われ服用を中止したが高熱はおさまらず、 家族に支えられるようにして病院にいくと、両肺とも重い肺炎「間質性肺炎」が進行していることが判明。 すぐにステロイドの大量投与の処置を受け、一時は心肺停止の危機もあったが…

【訴訟の概要】
  2004年、イレッサの副作用の被害者らが、国と、イレッサを販売するアストラゼネカ株式会社 (本社:大阪梅田スカイビル) を相手どって、 損害賠償請求訴訟を起こし現在、大阪と東京で裁判が行われています。

  2011年3月23日に東京地方裁判所で国と企業の法的責任を認め、
  原告らへの賠償を命じる判決が出ました。

   ・判決要旨 2011年3月23日
   ・東京判決第3分冊(国企業の責任に関する判断部分)
   ・弁護団声明

文責 NPJ編集部