西武バス飲酒検知器誤作動事件
事件名:西武バス飲酒検知器誤作動事件
係属機関:さいたま地方裁判所川越支部
3月25日に原告敗訴の判決が出ました。
東京高裁にて控訴審でのたたかいが続いています。
紹介者:大山勇一弁護士
連絡先:城北法律事務所
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【事件の概要】
1 当事者
原告 西武バス株式会社の元従業員 (Aさん)
被告 西武バス株式会社
2 請求の内容
従業員としての地位確認
解雇期間の賃金の請求
慰謝料50万円の請求
3 請求の原因の概要
Aさんは西武バスの路線バスを担当する乗合運転手として、まじめに稼動していましたが、2005年6月22日に酒気を帯びて会社に出勤したという疑いをかけられ、
同年7月1日に諭旨解雇されました。しかし、事件当日の飲酒検知の際に、Aさんが息を吹きかけたところ、検査担当者は 「酒の臭いはまったくしない」 と断言していました。
その後、Aさんは酒気を帯びて出勤していないと主張しましたが、会社は取り合わず、「あの器械で数値が出れば処罰するだけだ」 と言い切られ、
Aさんは諭旨解雇されてしまいました。
Aさんは、これまでにも数回、呼気にアルコールが含まれていないのに、酒気帯びに当たる数値を検知され処罰されたことがありました。
このアルコール検知器を製造しているメーカーは、このアルコール検知器は 「アルコール以外の食物に反応することがある」 ということを認めています。
そして、このことは会社も認識していました。アルコール検知器の誤作動によって諭旨解雇されたAさんの解雇撤回を求めて裁判を闘っています。
【一言アピール】
近時、飲酒運転に対する規制の強化が進み、また飲酒運転者を厳しく処罰する企業が増えてきています。
このような流れ自体、まったく正当なものだと思います。しかし、酒気を帯びていない人が、器械の誤作動によって誤って解雇されていいはずがありません。
酒気を帯びているのかいないのか、適正な判断がなされて初めて運転手もその処分に納得するはずです。
裁判での闘いの中で、適正な飲酒検知の方法について検討が進むことでしょう。
文責 NPJ編集部
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