法律を守ってよ! 〜「すき家ユニオン」
事件名:不当労働行為救済申立て事件
内 容:団体交渉拒否
当事者:すき屋アルバイターVS株式会社ゼンショー(すき屋経営会社)
係属機関:東京都労働委員会
次回期日:5月28日午後4時から6時まで、審問手続き (裁判でいう証人
調べ) に入ります。
次々回期日:7月4日午後3時から5時まで、同じく審問手続き
傍聴希望者集合場所:東京都庁第一本庁舎内34階申立人控え室
紹介者:笹山尚人弁護士
連絡先:首都圏青年ユニオン
|
【はじめに】
私は、青年労働者の雇用の権利問題を専門とする弁護士です。
その観点から、首都圏青年ユニオンという労働組合の顧問弁護士を担当しています。
この労働組合は、雇用形態を問わず、一人でも加入することが可能な労働組合で、文字通り青年が中心となって組織し、活動している点に特徴があります。
労働組合の運動は、従来、特定の企業の正規従業員だけで構成することが当たり前でしたが、
そのような労働組合は企業がつぶれてしまうのと同時になくなってしまいますし、青年労働者に多い、フリーター、非正規社員の場合、
一つの企業に居続けるということが少ない。そこで、そのような人たちが参加できる新しい労働組合として、2000年に結成されたのです。
結成以来、首都圏青年ユニオンは、青年労働者のニーズにかない、着実に活動を前進させてきました。
【事件の概要】
2006年、牛丼屋チェーンの 「すき家」 で働くアルバイトの人たちが、ユニオンに加入してきました。
彼らは、解雇されたり、時間割増の残業代を支払ってもらっていなかったり、法律によって当然に認められる権利を認められていませんでした。
そこで、彼らによって、首都圏青年ユニオンの中の一グループとして、「すき家ユニオン」 が結成されたのです (首都圏青年ユニオンでは、分会を作っていますが、
これは地域組織であり、特定の企業名を冠する分会を作っていないため、すき家ユニオンはグループです。
ユニオンは、団体交渉といって、組合員の問題についての話し合いをすることを会社に対して求めました。
労働組合が団体交渉を求めた場合、正当な理由がなければ会社はこれを拒否できません (労働組合法第7条)。
しかし、会社は、2007年2月から、団体交渉に全く応じなくなりました。
ユニオンは、団体交渉といって、組合員の問題についての話し合いをすることを会社に対して求めました。
労働組合が団体交渉を求めた場合、正当な理由がなければ会社はこれを拒否できません (労働組合法第7条)。
しかし、会社は、今年の2月から、団体交渉に全く応じなくなりました。
【申立の概要】
会社が労働組合との団体交渉を拒否することは、禁じられている行為であり、これを 「不当労働行為」 と呼んでいます。
このような場合は、労働組合は、行政機関である労働委員会に対して、会社に是正命令を下すように救済手続きを求めることができます。
首都圏青年ユニオンも、「すき家」 を経営する会社の対応について、この救済手続き申立を、東京都労働委員会に対して行うことになりました。
この救済手続きは、裁判と類似した手続きを取るため、労働組合は弁護士に手続きの遂行を依頼することがあります。
今回も、首都圏青年ユニオンの依頼があり、私、大山勇一弁護士、佐々木亮弁護士の3名で、「すき家ユニオン弁護団」 が結成されました。
【手続の経過】
本件の救済手続き上の争点は、会社が、団体交渉を拒否していることが正当か否か、その一点にかかっています。
会社は、首都圏青年ユニオン等が、労働組合であることは疑わしいなどの理由をあげて、正当であると主張していますが、
私たちは全く正当な理由ではないと考えています。
2007年11月27日の調査期日で、さらに会社は、「そもそもアルバイトとは労働契約を結んでおらず、
請負類似の契約を結んでいるに過ぎない」 という主張を追加してきました。
これは、まったく論拠を欠いた審理引き伸ばしのための主張であって到底認められるものではありません。
本件は現在、7回の調査 (裁判にいう弁論、弁論準備手続きに相当します) を経て、次回は、組合の書記長の審問期日を行う予定です。
そして、次々回は会社の担当者の審問期日を行なう予定です。
【一言アピール】
労働組合は、一人ひとりの労働者が、使用者との関係では弱い立場にあることから、使用者と対等平等に協議交渉できるよう、
労働者が団結することを権利として保障されています。
また、団結体である労働組合は、会社と話し合うことが出来なければ意味がないことから、団体交渉することも、権利として保障されています。
団体交渉を拒否するということは、労働組合の団結体としての基礎を認めないことで、許されないことです。
しかも、私たちの要求は、単純明快です。「法律を守ってよ」。法律通りに時間外割り増し賃金を払ってよ、会社はユニオンとの話し合いをしてよ。
それだけのことにすぎません。
「すき家」 という、青年なら誰でもアルバイトをするようなポピュラーな職場で、法律通りの権利が認められないので、
法律に従って労働組合をつくって会社と話し合う。
当たり前の法律どおりの原則ですが、これが実現していないのが今の世の中です。
だから、この当たり前の法律どおりの原則を実現することが、どれだけ世の中を明るく照らすことになるのか、計り知れない価値があると私は思っています。
そのようなわけで、ぜひ、ご関心のある方に注目し、支援して頂きたいし、都労委の手続きの傍聴をお願いしたいと思います。
【次回期日の紹介】
次の調査は、2008年5月28日午後4時から6時まで。
首都圏青年ユニオンの河添書記長が証言を行ないます。
ご関心がおありの方は、遠慮なくお越し下さい(組合側である申立人の控え室に来て下さい)。
文責 笹山 尚人弁護士 大山 勇一弁護士


|