2011.8.8更新

人権弁護士への弾圧に屈するな!
〜安田弁護士事件、高裁不当判決に対し上告
事件名:強制執行妨害罪被告控訴事件
内  容:安田好弘弁護士が強制執行妨害罪で逮捕された冤罪事件
当事者:被告人=安田好弘弁護士
係属機関:最高裁
       高裁判決は逆転有罪 (罰金50万円)
次回期日:未定
紹介者:岩井 信弁護士
連絡先:安田さんを支援する会


【公訴事実の概要】
  本件事件の公訴事実、すなわち、罪となるべきだと検察官が訴えた事実は、「安田弁護士は、S社の社長、社員らと共謀の上、 S社が所有する建物の賃借人に対して有する賃料債権等に対する強制執行を免れる目的で、第一に、あらかじめ実体のないA社名義の口座を開設した上、 平成5年2月下旬ころ、S社がA社に賃貸人の地位を移転したかのように装って、第一建物の賃借人に対してA社の口座あて振込み入金することを指示して、 合計9,999万円の賃料をA社の口座に振込ませ、第二に、右と同様にW社名義の口座を開設した上、同5年11月上旬ころ、右と同様に、 第二建物の賃借人に対してW社の口座あて振込み入金することを指示して、合計1億175万750円の賃料をW社の口座に振込ませ、 もって、強制執行を免れる目的で財産を隠匿したものである。」というものです。隠匿額の合計は2億円とされています。

【事件の真相】
  安田弁護士は、債務超過に陥った顧問会社S社から相談を受け、不採算部門を切り離し、分社化して再出発することをアドバイスしました。 その一環としてS社の所有するビルを別会社で一括管理することにしました (「サブリース」 といいます)。 それが、「強制執行を免れる目的で」 そのビルのテナントの賃料を 「実体のない」 会社に振り込ませ 「財産を隠匿した」 とされたのです。

  しかし、裁判では驚くべき真相が明らかとなりました。S社の従業員たちは、社長らの知らないところで、顧問税理士まで巻き込んで裏金づくりに精を出し、 いよいよS社の経営が危機に陥るや自分たちでその裏金を 「退職金」 という名目で分配したのです。

  事件当初、強制執行妨害によって隠匿されたと想定されていた 「裏金」 は、実は社員の横領によるものだったのです。 彼らは自分たちの犯罪行為が明るみに出ることをおそれ、 一刻も早く会社を潰してしまえとばかりに住管 (現在は整理回収機構) に 「社長が資産を処分して逃亡しようとしている」 と 「内部告発」 しました。 住管は、これを強制執行妨害として刑事事件化したのです。詳細は、安田さんを支援する会HP などをご参照下さい。

【訴訟の経過】
  東京地裁は、2003年12月24日、無罪を言い渡しました。
  しかし、東京高裁は2008年4月23日、一審の無罪判決を破棄し、罰金五50万円の逆転有罪を言い渡した。安田弁護士は上告した。

【今後の日程】
  安田弁護士は上告をしました。期日等は未定です。


文責 NPJ編集部