靖国合祀取消(ノー! ハプサ)訴訟〜今、暴(あば)かれる 『靖国の闇』
事件名:第二次大戦戦没者合祀絶止等請求事件
内 容:靖国神社に親族が合祀されていると知った遺族ら、また未だ生
存しているにもかかわらず自分自身が合祀されていると知った
原告らが、国と靖国神社を相手に、合祀の取消 (具体的には、
国に対しては、遺族らや本人に関する戦死情報提供の撤回、
靖国神社に対しては、霊璽簿等からの氏名の抹消)や謝罪、
損害賠償などを求めた訴訟。
当事者:韓国人の軍人軍属の遺族ら11名 VS 国、靖国神社
係属機関:東京地方裁判所民事14部
次回期日:7月21日(木) 午後3時〜
※ 午後2時40分 傍聴券の抽選
東京地方裁判所103号法廷
次回期日の内容:判決言渡
紹介者:井堀 哲弁護士
e-mail:nohapsa@yahoo.co.jp ノー!ハプサ(合祀)ブログ
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【事件の概要】
靖国神社は、戦前戦中に於いて、日本の軍国主義の精神的支柱であり、いわば侵略戦争のシンボリックな軍事宗教施設であった。
その間、靖国神社は戦死者 (天皇の名において戦って死んだ者) を合祀していた。
この合祀手続には国も関与しており、戦中は陸海空軍の審査を得たものを天皇が 「裁可」 して靖国神社に通知し、
戦後は厚生省引揚者援護局がこれを引き継いで行っていた。祭神数は、2001年時点で267万人に及ぶ。
ところが、最近になって、韓国人で、生存者であるにもかかわらず合祀されていたり、
また遺族である親族の承諾なく勝手に靖国神社に 「英霊」 として合祀され祭神として祀られている者が多数存在することが明らかになった。
合祀されている韓国人の中には、自分自身又は親しい親族が、日本軍によって強制的に動員され、日本の侵略戦争に動員された結果、戦死した者が多い。
彼らは、侵略者である日本軍によって、徴用され、戦死させられ、しかもその侵略者と共に合祀されていることに強い憤りを有している。
そこで、原告らは、繰り返し靖国神社に合祀の取消を求めてきたが、靖国神社は一切これに応じなかった。
このような経緯を経て、2007年2月、本件訴訟を提起した。
【訴訟の進捗状況】
これまでに6回口頭弁論が開催された。
前回は、韓国人原告の皆さんの被侵害利益について主張した。靖国神社の行為、つまり原告ら自身又は親族に無断で、「英霊」 として合祀し、
合祀の取り下げに応じずに継続的に合祀し続けていることによって、加害者である靖国神社によって二重三重の加害が加えられており、
自己決定権などが侵害されていることなどを原告弁護団が説明した。
第7回口頭弁論 10月6日(月)
自分の親族又は自分自身が、無断で靖国神社に合祀された原告達が、具体的にどのような人格権侵害を受けたのか、
原告の境遇や体験、信ずる宗教などに言及して分かり易く主張しました。
前回期日(7月3日)は原告側が、
・国側の反論に対して、さらに靖国新資料集を再検討して靖国と国が合祀手続を連携して行ってきたこと
・日韓請求権協定 〔1965年〕 において国側も当初は個人の請求権まで否定していなかったこと
を主張しました。
今後は、自衛官合祀事件 (護国神社の合祀に対し、遺族である妻 〔キリスト教信者〕が合祀の取消等を求めた訴訟) の最高裁判決が、
この事件にも妥当するか否か、具体的には、
・国と靖国神社の共同不法行為が認められるか
・原告らの被侵害利益とこれが侵害されていることが認められるか
が争点になりつつあります。
7月29日に行われたノー!ハプサ訴訟第16回口頭弁論で裁判所は学者証人2名と原告5名程度の尋問を行うことを決定しました。
11月11日には学者証人のうち民族問題研究所の朴漢龍事務所長と原告(遺族)4名の尋問が一日かけて行われます。
韓国人が戦後、遺族に無断で、創氏名のまま靖国神社への合祀が国家的に強行されたことの被害を歴史的実証的に立証する重要な裁判となります。
多くの支援者で法廷を埋め尽くし原告を支えてください!
11・11スケジュール(予定)
【午前・学者証人尋問】
朴漢龍(パク・ハニョン)民族問題研究所研究室長
【午後・原告(遺族)本人尋問】
高仁衡(コ・インヒョン)
羅敬壬(ナ・ギョンニム)
朴壬善(パク・イムソン)
李熙子(イ・ヒジャ)
【前回期日の報告】
徐勝氏の証人尋問と8月15日の靖国神社の状況を示すDVD等の上映を行いました。これをもって双方の立証活動は基本的に終了しました。
文責 弁護士 井堀 哲
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