2008.4.25

大学の教室は誰のもの? 法政大建造物侵入罪
事件名:大学の教室は誰のもの? 法政大建造物侵入罪
係属機関:東京地裁刑事第21部合議 429号法廷 (警備法廷)
次回期日:5月15日 1時30分〜 429号法廷
       傍聴希望の方には、事前に傍聴券が配布されます。
次回期日の予定:元学生部長の安藤証人の反対尋問
次々回期日:5月15日 13時半〜 反対尋問
紹介者:森川文人弁護士 指宿昭一弁護士
連絡先:新宿区新宿1-6-5 9階 ピープルズ法律事務所
     電話 03-3354-9662 森川文人弁護士
     f-morikawa@the-peoples.com


【事件の概要】
 公訴事実は 「被告人は、革命的共産主義者同盟全国委員会 (中核派) の構成員又はその同調者であるが、**と**と共謀の上、 中核派の賛同する平成19年11月4日開催の 「全国労働者総決起集会」 への参加を呼びかけるため、法政大学の教室内に侵入しようと企て、 法政大学の教職員又は学生でないのに、同年10月17日午後1時15分ころから同日午後1時35分ころまでの間、 同大学総長代理が看守する同大学市ヶ谷キャンパス55年館6階562番教室に侵入し、もって正当な理由がないのに、 人の看守する建造物に侵入したものである。」 とするもの。
  要は学外者の「活動家」が、休み時間に教室に入り、学生に集会の呼びかけ等を行ったところ、侵入罪で逮捕・起訴というもの。

【手続きの経過】
1. 被告人は取調段階では完全黙秘。逮捕後今日まで4ヶ月以上勾留されたまま、第1回期日を経ても保釈は認められず、 接見禁止もふされたまま (抗告により一部条件解除)。第1回法廷よりいわゆる警備法廷で、地裁の警戒体制はAクラス。
  第1回では、いわゆる罪状認否 (=法的には意見陳述) を被告人20分程度、弁護人15分程度で、無罪、公訴棄却を主張。

2. その後の裁判の経過
  今後は、警察証人4名、大学関係者3名が検察側予定の証人であり、まずは検察立証がなされる予定。

3. 現在の争点−私立大学は政治差別を正当化出来るか。
  被告人が、政治的目的を持つ個人として、大学の学生に集会参加を呼びかけるという目的で 「教室」 に足を踏み入れたことが、建造物侵入に問われている。 地検機動班6名の検事の釈明によれば、そのような個人が 「政治的組織」 に属したり同調し、その政治目的をもって、足を踏み入れることが大学当局の意思に反し、 故に 「侵入罪」 を構成するという。

  法により公の性質をもつ私立大学において、思想・政治差別による弾圧がなされ、それを国家権力が支える、ということが認められていいのか。 これが大きな争点と現時点では考えている。

  3月25日の期日では、逮捕した警察官の証人尋問が行われました。
  現場を現認しておらず、大学関係者から被告人を引き渡されたのに 「現行犯逮捕」 とされており、大学と警察の連携プレー、連携の警備体制が明らかになりました。 大学職員の撮影した現場、すなわち被告人らが行った大学の休み時間の教室での討論の様子などが法廷で上映され、盛り上がりました。退廷命令は4〜5名程度。

  4月24日の期日は、元学生部長の主尋問でした。大学が体制当番をしいて 「学外者」 というレッ テルで特定の政治行動を排除していた姿勢が明らかになりました。 続いて、反対尋問は、弁護人ではなく被告人から始めるという画期的方針。そこで一悶着アリましたが、何とか開始したものの、被告人退廷命令で公判は終了。 抗議した傍聴人も拘束され、その後、傍聴人は制裁裁判により、2日間の監置 (東京拘置所)。

【一言アピール】
  大学というのは、どういう場所か。パブリックな場所、開かれた場所ではなかったのか。 憲法上の表現の自由の中でとりわけ優越的地位のある政治的表現の自由であるが故の権力の弾圧を認めることは出来ない。 政治表現の自由は今認められないのか。政治的結社の自由、政治的な集会の自由、いずれも憲法上、もっとも重要な人権と位置づけられているのではないのか。

  長期勾留、そして公安警察官、警備員に囲まれた警備法廷の凄まじさをまだ知らない方にはぜひ傍聴してほしいと思います。

文責 弁護士 森川文人