2010.6.8

仲さんの “ハインリッヒの法則”


メディアも 「ちょっとした勇気」 を発揮する時

  普天間基地問題で、鳩山内閣は迷走に迷走を重ねている。「5月末には結論を出す」 と繰り返していたが、 なんの根拠もない発言だったことがあらためて明らかになった。 あげくの果て、「移設先」 政府案は、なんと辺野古沖に 「くい打ち桟橋方式で」 という。なんのことはない自公政権時の計画に逆戻りである。

  行きつく先は 「日米安保」 である。かつて 「安保条約をなくそう!」 のシュプレヒコールが空しく(?)響いた感があったが、いまは違う。 鳥越俊太郎さんは 「“抑止力” なんてちゃんちゃらおかしい」 (テレビ朝日系 「スーパーモーニング」)といい、 みのもんたさんは 「鳩山さんは日本の気持ちをちゃんとアメリカにぶつけるべきでしょ」(TBS系 「朝ズバッ!」)という。 「爆笑問題」 の太田光さんも 「勇気がいることだが、安保を考えるとき」(日本テレビ系 「太田総理と田中秘書」)という。 いまや、多くの人が 「安保」 を身近な問題として受け止めている。なのに、肝心の報道は、「安保」 を真正面から見つめようとしていない。 「普天間基地即時・無条件撤去」 の民意を受け止められない鳩山内閣の姿勢と似たりよったりである。

  アメリカのデニス・J・クシニッチ下院議員が、『日本の人々への連帯メッセージ 在日米軍基地をめぐって』 (4月25日)という声明をだしている。
  「沖縄の人々は長い間、在沖米軍基地再編に反対を表明してきました。 彼らのその強い意志は、本年初旬の稲嶺進氏を市長に選出した選挙での圧倒的な票に明らかです。 (略)先週、私は米下院歳出委員会防衛小委員会の委員長に手紙を送り、 普天間基地に駐留する米軍海兵隊の名護市への移転計画についての私の懸念を表明しました。 海兵隊がその部隊を名護市へと移そうとするに際し、その議論には地元住民の視点がまったく存在していないのだ、と。 稲嶺市長の選出は、自分たちの環境と暮らしを守ろうとする地元の人々の勇敢なる闘いにおける重要で象徴的な勝利でした。 沖縄の人々の懸念が考慮されなければなりません。 基地移転への彼らの強い反対、そして、新たな軍事基地建設から生じるであろう環境上、経済上の損害を脇に押しやることはできません。 その地の海洋生物に自然の生息地を提供してきた脆弱な珊瑚礁は、地元漁民の経済的基盤とともに脅かされています。 私は、沖縄の人々の懸念が米国連邦議会の中に確実に伝わるよう沖縄の人々の闘いを支援し、 彼らの土地と環境の擁護する努力を続けます」 というものだ。
  日本の運動が確実に影響を及ぼしている証の一つである。歴史を逆戻りさせないために、メディアも 「ちょっとした勇気」 を発揮する時がきている。