築地市場の豊洲地区移転に賛成ですか? 反対ですか?
2012.12.10 弁護士 大城 聡
東京の、日本の食文化の発信地である築地市場が、今、深刻な汚染地に移転されようとしています。
豊洲にある移転予定地は、巨大な都市ガス製造工場の跡地です。ここからは、環境基準を大幅に超える有害物質が次々と見つかっています。
新聞やテレビの報道では、築地市場移転は、すでに後戻りができないところまで進んでいるかのように伝えられることもあります。
しかし、東京都が、築地市場を移転させるためには農林水産大臣から認可を受ける必要がありますが、
東京都は農林水産大臣に対しこの認可の申請を行っていません。汚染除去工事の結果もまだ出ていない状況です。
築地市場の移転は、決まっていないのです。
そのような都政の状況の中、2012年12月6日の朝日新聞で、“<都知事選 主な候補者に聞く>(3) 築地市場移転” が掲載され、
都知事選の主な候補者の意見が明らかになりました。
2012年12月6日朝日新聞から一部抜粋して、各候補者の意見をお伝えします。
※ 「主な候補者」 は朝日新聞に掲載された候補者です。
<質問> 築地市場の豊洲地区移転に賛成ですか、反対ですか。
各候補者の回答は、以下のとおりです。
■松沢成文氏
【賛成】
築地市場については江東区豊洲への移転を進めるべきだ。
市場の跡地は 「食文化」 の拠点機能に加えて、新たな都市観光、地域の活性化につながる機能の誘導を行い、都心全体の魅力の向上を進める。
■笹川尭氏
【賛成】
老朽化した築地市場は移転が必要です。ただし土壌汚染の問題を含め、まだ課題は残っています。
それぞれの課題をあらためて都議会にはかり、最善の方法で新市場移転を取りはからいます。
■宇都宮健児氏
【賛成、反対ではなく凍結】
豊洲の汚染の影響について、徹底した調査を行い、安全性が認められるまで凍結する。
そのデータをもとに専門家による公開の討論を行うとともに、築地市場で働く人々の意見を聞いて判断する。
■猪瀬直樹氏
【賛成】
これまで議会と積み重ねてきた議論を踏まえ、2014年度末の豊洲新市場の開場を目指す。
築地のまちづくりは、中央区との合意を踏まえ、築地での食文化の拠点が継承されるように最大限努力する。
■中松義郎氏
【反対】
猛毒により土壌汚染されている豊洲の東京ガス工場跡地では、土壌改良にお金がかかりかつ健康にも悪い。
以上、2012年12月6日朝日新聞から一部抜粋
築地市場移転問題は、次の世代の食の安全に影響する大切な問題です。
都知事選でも、そしてその後の都政でも、私たち一人ひとりが、自分たちの問題として考えていきたいと思います。