2009.7.17更新

L&G 組織的巨額詐欺事件
〜これ以上の被害者をださないために〜
事件名:L&G組織的巨額詐欺事件
         〜これ以上の被害者をださないために〜
係属機関:東京地方裁判所 民事20部 西裁判長
事件番号:平成19年(フ)第21796号
次回期日:破産事件については未定
紹介者:小貫陽介弁護士
連絡先:L&G被害対策弁護団

【事件の概要】
1 事件の内容:L&G 及び代表取締役波和二の破産申立て
  L&G 代表取締役波和二及び役員の刑事告訴 他
2 当事者:被害者
    VS
  L&G、L&G 代表取締役波和二、L&G 役員、GA と呼ばれる上部勧誘者

【事件の背景】
1 本件は、L&Gグループによる組織的詐欺事件である。
  組織的詐欺の仕組みはシンプルで、「円天」 と称する電子マネーといった装置や宗教的要素を加味してはいるが、実体は、昔からのマルチ商法、 「ネズミ講」 的なものに過ぎないのであり、連鎖的に新規加入者を誘引し続けなければいずれは破綻することが必至の配当システムであった。

L&Gの投資商品としては、
(1) 「振込あかり価格」
  1口5万円を、手数料18% 9,000円を加算して支払えば、 3年後に 「振込あかり価格」 の同額返金時 「還元あかり価格」 として一括支払いされるもの

(2) 「L&G協力金」
  会員から、100万円を1口として、L&Gに振り込めば、預かり期間を1年間として、月3%相当の 「利息」 ないし 「役務手当」 を、 3ヶ月ごとに9%の配当 (年36%) を受け取ることができるというもの

(3) 「円天受取保証金」
  最近の 「電子マネー」 の手法を加味したもので出資者が10万円以上を預けると、 毎年同額分の疑似通貨 「円天」 を受け取れるというもの (例えば、50万円を預けて、「円天市場」 で同額 (50万円天) の商品を買えば、 毎年、同額 (50万円天) が振り込まれ、解約すれば、元金の50万円も戻ってくる) もの等があった。

2 マスコミ報道によれば、L&Gは会員を増やすために、全国各地のホテルで、連日のように、大々的な説明を実施し、 登録した会員や出資者向けの無料の 「あかりコンサート」 も頻繁に開催していた。そこには、有名歌手も多く出演していた。 これまでに集めた会員は5万人、金額は1,000億円を超えるのではないかと言われている。

3 しかし、このような、古典的なマルチ商法、「ネズミ講」 的なものの宿命として、永遠に会員が増え続けないと、事業継続が不可能であり、 L&Gはついに破産することになる。

【刑事事件】
  「2009 (平成21) 年2月5日、波和二ら22名が組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律同法第3条第1項第9号 (詐欺罪) 違反で逮捕されました。
  その後、同月26日には再逮捕されました。 また、2009 (平成21) 年2月26日に起訴、同年3月9日には追起訴されました。

【これまでの弁護団活動】
  平成19年1月中旬に、上記の 「L&G 協力金」 の3ヶ月毎の9%の円での支払いを、2月以降行わないことを発表し、以後、「円天」 での配当に切り替えた。 その後、「円天」での支払いについても停止、平成19年9月以降に、東京・銀座の「円天市場」を閉鎖し、全従業員を解雇した。

  平成19年10月3日、L&G は、警視庁および宮城県警、福島県警の合同捜査本部による出資法違反容疑で一斉捜索を受けた。
  平成19年10月14日には L&G 被害対策弁護団が結成され、東京霞ヶ関の弁護士会館で説明会が開かれた。
  平成19年10月31日 L&G 被害対策弁護団が破産申立てを行い、東京地裁第20部は、波本人を審尋、11月26日に L&G の破産手続開始決定を出し、L&G は破産した。

【今後の弁護団活動】
  破産管財人と協力しながら L&G の隠れた資産を探し出すとともに、波本人の破産を求め、さらに関係者に対する刑事告訴をします。 そして、条件が整い次第、波は当然として、L&G 役員、L&G 従業員、上部勧誘会員 (GA) に対する損害賠償請求を追求していく予定です。
L&G の広告等として活躍していた細川たかしと大学教授2名および上部勧誘会員 (GA) に対する損害賠償請求事件を平成20年5月16日に提訴しました。

【次回期日】
  破産手続きについては未定
  刑事告訴については準備中です。

【一言アピール】
  何もしないままでは、事態は全く変わりません。それどころか時間が経過するほど被害回復は困難になります。
  当弁護団は、条件が整い次第、取り得るすべての手段を用い、被害者の方の被害回復につとめて参ります。

L&G被害対策弁護団ホットライン 03−3511−6840〜1
  平日12:00〜16:00 (土日祝日は休みです)
  なお、12月28日〜1月8日まではお休みをいただきます。

文責 弁護士 小貫陽介