2007.12.3

中途解約清算金請求〜NOVA!

事件名:中途解約清算金請求事件
内  容:中途解約した場合の残ポイントの清算について
当事者:NOVA受講生VS株式会社ノヴァ(NOVA経営会社)
係属機関:東京都地方裁判所
次回期日:未定
傍聴希望者集合場所:直接東京地方裁判所7階712号法廷へ
紹介者:花垣存彦弁護士
連絡先:NOVA被害東京弁護団

【事件の概要】
  当弁護団は、東京にある3つの弁護士会の一つである第二東京弁護士会の消費者問題対策委員会に所属する弁護士有志7人が2007年7月5日に結成しました。
  NOVAの中途解約金清算をめぐるトラブルは以前から多数生じていて、訴訟となったものもあります。
  その中で、当弁護団結成の重要なきっかけとなったのは、2007年4月3日のNOVA中途解約清算に関する最高裁判決でした。 この判決は、中途解約金の清算にあたっては、契約時のポイント単価によるべきだという判断を示したものです。 これによって、NOVAの清算をめぐる重大争点の一つに司法上の決着がつきました。

  ところが、NOVAの中途解約をめぐる争点は、これ以外にも、「みなし消化」 の問題 (3年契約の場合、契約ポイント数の3分の1が最初の1年で、 さらに3分の1年が次の1年で、たとえ使用していなかったとしても消化したものとみなされるという制度) があります。 NOVAは、この最高裁判決以前には、各地の消費者センターを通じた交渉の中では、「みなし消化」 の問題で譲歩することがあったそうですが、 最高裁判決が出ると、「みなし消化」 の問題では絶対に譲歩しないという強硬姿勢をとるようになりました。
  そこで、消費者センターから、この問題は司法によって解決ができないか、その受け皿となる弁護団の結成をという声が弁護士会に寄せられ、弁護団結成に至りました。

【訴訟に至る経緯】
  弁護団結成後、当弁護団は、2007年7月19日、NOVAへ申し入れを行いました。
  実は、この時期、NOVAの姿勢は、大変に流動的でした。つまり、@ 契約時単価で清算すべきという最高裁判決があり、NOVAもこれに従うといいながら、 実際の清算の場面では、最高裁判決前の基準で計算する例があったり、A 逆に、「みなし消化」 については、これを適用しないで清算に応じ、 これを 「会社の方針」 だと説明する事例が現れた──ということです。

  弁護団としては、もしも、NOVAが自主的に清算方法を適正化するならば、問題は訴訟によらずに解決されるし、それが、被害者の方々の利益でもあると考え、 まず、申し入れによってNOVAの態度を確認することにしたのです。
  申し入れ項目は、@ 契約時単価での清算を徹底すること、A 「みなし消化」 を適用しないこと、B ポイントを買い足して契約を延長した場合、 繰り越したポイントを返金の対象とすること、C 「ギンガネット」 (テレビ電話) について、特定商取引法に従って中途解約・クーリングオフに応じること──でした。

  これに対する回答が、8月15日に弁護団に届きました。
  内容は、弁護団が申し入れた先の4項目のうち、@ と A、C については、基本的に、申し入れの趣旨に沿った方向で対応するとの回答でしたが、 B 契約延長のケースについては、繰り越したポイントを清算の際の返金の対象にする考えはないということでした。
  そこで、当弁護団としては、B の問題、すなわち 「当初の契約の有効期間中にポイントを買い足して契約を延長したにもかかわらず、清算時には、 繰り越したポイントを返金の対象としてもらえない」 という問題については、訴訟提起して、司法の場での解決の道を開く必要があると考えました。

【訴訟の概要】
  外国語学校などの継続的役務提供契約を規制する特定商取引法49条1項は、解除 (中途解約) に伴う中途解約金清算の際、役務提供事業者 (例えばNOVA) が、 役務の提供を受ける者 (受講者) に対して請求しうるのは、@ 提供された特定継続的役務の対価及び A 契約残額の20% (但し、5万円が上限) のみと定めています。
  他方、「NOVAはレッスンの有効期間が終わりに近づくと 『ポイントを追加購入すれば有効期限が延長される』 『このままでは残りのポイントが無効になるが、 新たに買い足せば (残りポイントを) 繰り越せる』 等といって、新たな契約を勧めるキャンペーンを行っていました。 そこで、相談者は、繰り越しポイントと新たな契約分の合計ポイントが解約清算の対象になると思っていました。
  しかし、実際に解約をした際、NOVAは、繰り越しポイントは、解約・清算の対象にならないとして、清算を拒否したのです。

  延長契約は、受講者が延長後の有効期間に繰り越しポイントも含む合計ポイント分のレッスンポイントを利用することができるという内容の契約であったのですから、 受講者が、延長後の有効期間内に受講契約の解約を申し出た以上、NOVAが、受講者に請求しうるポイントは現実に消化したもののとなるはずであるというのが、 本件訴訟の請求の概要です。

【手続きの経過】
  NOVAが会社更生法の申請をし、保全管理命令を受けたため、中断しています。

【お知らせ】
  現在、受任手続きを中断しております。

【次回期日の紹介】
  次回期日は未定です。

文責 NPJ編集部