2014.3.4

明日の自由を守るために

目次 明日の自由を守る若手弁護士の会
「明日の自由を守る若手弁護士の会」
自己紹介&リーフレット紹介
黒澤いつき

  初めてお目にかかる方も多いかと存知ます。私たち 「明日の自由を守る若手弁護士の会」 は、2013年1月に設立された法律家団体です。 2012年4月に発表された自由民主党の改憲草案に衝撃を受け、 また第2次安倍内閣発足によりその草案の実現(すなわち改憲)が現実味を帯びてきたことに危機感を抱いた若手弁護士30名弱が呼びかけ人になり、 現在ではメンバーは約10倍の(北海道から沖縄まで全国)300人弱にまで増えました。

  当会の目的はシンプルです。「自由民主党の改憲草案の内容とその危険性を1人でも多くの国民に知ってもらうこと」。

  第2次安倍内閣は発足当初から改憲への意欲を隠さず、景気回復や復興支援等と同程度か、あるいはより優先事項かのように、 その準備に余念がありません。しかし、いくら圧倒的多数な議席を確保していようが、決して有権者は憲法改正を願って自民党に政権を託してはいません。 選挙の争点になっていないどころか、国民の関心が高いとはいえません。 だからこそ関心を持ってもらうために首相や政権与党が先頭になって憲法改正を声高に訴えているのか、と思えばそうでもないようで、 国民の関心の高まりや議論の深化を待つまでもなく、議席の数を背景に独断で進めている姿勢には、民主主義への謙虚な姿勢は見えません。

  改憲草案は、従来からの改憲の最大にして唯一のテーマであった9条の改正だけで済まされるものではありません。 立憲主義や天賦人権、民主主義、およそ近代の民主主義国家が共有している基本の価値観をほぼすべて否定し、 民主主義国家からの離脱を図るといって過言ではない 「新しい国家体制」 がパッケージとして提案されています。 国のあり方そのものを根底から変えようという政権与党たる自民党の提案を、 国民が 「知らない」 「なんだかよく分かんない」 ままでいていいはずがありません。 今、国会で何が起きているのか、何が為されようとしているのか、「知る」 ことがなければ、「難しくて自分に関係あることなのか分からないまま、 いつの間にか変わっちゃった」 なんてことが起きてしまいかねません。 国民に、憲法というとっつきにくいテーマを、自分の問題として感じてもらうこと。 民主主義を守れるかどうかの瀬戸際で、法律家が為すべきことは、まずこれだ、と感じて、私たちは上記目的を設定しました。

  現実には、圧倒的多数の国民が 「憲法にも政治にもあまり興味がない」 わけで、特に20〜440代の、 これからの日本の社会を支えていく世代の政治無関心をどう変えていくか、というテーマは私たちの陰の(?)最大の課題でもあります。 これは、従来のいわゆる護憲運動がなぜうまく次の世代へ継承できていないのか、を検証することにもつながる取り組みでもあり、 この1年間、まさに試行錯誤の繰り返しでした。 かわいいイラストで改憲草案を紹介するリーフレットを作成・販売したり、立憲主義とはどんな考えかをおとぎ話にした紙芝居を配布したり、 あるいはおしゃれなカフェで学習会を開いたり、できることは何でもとりあえずやっています。 「若手」 弁護士ならではの行動力というか怖いもの無さが光った1年だったかな、と思います。

  さて、今年は必ずや解釈改憲が狙われるでしょう。「憲法9条の下では集団的自衛権の行使は許されない」 という政府見解を、 「許される」 と変えたいのだ、という主張は、第2次安倍内閣発足当初から為されていました。 昨年はその準備として、内閣法制局長官の首がすげ替えられたり、日本版NSCの設置を強行したり、いろいろな 「異例」 尽くしなことがなされました。 集団的自衛権の行使容認(憲法9条の死文化)が何を招くのか、国民に知ってもらうため、当会は最初の取り組みとして、 新たなリーフレットを作成いたしました。その名も 「2分で分かる! 集団的自衛権ほぼ AtoZ」。 毎度かわいいイラストと平易な解説文が冴える出来映えとなっています。 2分で分かるなら読んでみようかな、と思えるものを作ったつもりですので、ぜひお買い求め下さい(1部 15円、10部から注文受付)。
  2月下旬より、当会HP から注文を受け付け予定ですので、チェックしてみてください。