No.9 6月21日
「恒久派兵法」で戦死者に? 自衛官の2人に1人がビラを手に!
6月10日夕方、平和大会練馬実行委員会は、練馬駐屯地正門前で 「あなたを戦死者にする恒久派兵法は許さない!」 と書いた横断幕を掲げて、
空自イラク派遣 「違憲」 判決の平和的生存権の意義と日本が事実上参戦していること、
なぜ自衛官がアメリカ軍の手下にならなくてはいけないのかなどビラ (恒久派兵法学習会) を配りながら訴えた。
外出禁止令 (注1) も解かれたのか、5時半の課業終了 (仕事が終わること) になると、
駐屯地正門から次々と若い隊員たちが迷彩服姿や私服姿で寄宿舎や街にくりだす。
隊員たちの半数がビラを受け取る。練馬からイラクに派遣された2年前には、4人に3人がビラを受け取ったので、
その時に匹敵するくらい 「恒久派兵法」 への関心は非常に高くなっている。
今回初めて参加した労働組合の男性は、頭を下げてビラを受け取り熱心に中身を読む自衛官の印象について、「まじめな人が多いね。
隊員の上司も見ていると思うが、こんなにビラを受け取るなんてびっくりした」 と話す。
正門から出てくるのは男性自衛官だけではない。青信号なのにじっと立ち止まり、横断幕を見ながら訴えを聞いている女性たちもいる。
自衛隊官舎の方に目を向けると、子どもを抱きながらずっとこちらを見ている母親もいる。
「あなたたち自衛官は戦場に行きたくなければ行きたくないと裁判所に訴えられる」 「沖縄の県議選も与野党が逆転した」
「守屋元防衛事務次官・イージス艦・朝霞駐屯地所属自衛官国会侵入自殺未遂等々不祥事が募集事務の足を引っ張ってる」
「米軍再編、ばかばかしいミサイル防衛の影響で自衛官の給料もままならない」 など様々な角度から訴えた。
また、駐屯地内からこそこそとカメラの隠し撮りや録音を続ける一群 (注2) に向けて 「公務員の任務は憲法を遵守することである。
即刻お止めなさい」 と訴えた際に、持っているカメラを隠すなどの行為があった。
実行委員会は来月も練馬駐屯地正門前で宣伝することを告げてこの日の宣伝行動を終了した。
(注1) この日は丁度、鹿児島タクシー殺人事件がおきて49日。
犯人は脱柵 (自衛隊で脱走のこと) した練馬駐屯地所属隊員 (一等陸士19歳)である。
事件直後、練馬区内に勤務する幹部自衛官らは 「練馬駐屯地のある責任者に手紙を書いた。
どうして防げなかったのかと」 「自衛官は底辺の人が多い。国も貧しくなっている。なんで殺人を犯したかわからない」 と話している。
(注2) 後日、これ等の行為の苦情を駐屯地に向けると、「とくに隣の朝霞駐屯地はかつて外部からの侵入者によって隊員が殺害されたことがあった。
何かあるといけないので警備の隊員が撮影しているのではないか。苦情は上司に上げる」 との返答あり。