2009.10.22

大学生70日間世界旅日記
〜中央アジア番外編 (1) ウズベキスタン〜
相川 和真
目次

  2009年の8月24日から9月19日までの間、僕は中央アジアのウズベキスタン、キルギス、カザフスタンに行ってきました。 これらの国々には古代シルクロードで栄えた都市がいくつもあり町としては古いですが、 一方では、旧ソ連圏であるためソ連崩壊後に独立したばかりの比較的新しい国々でもあります。 資源が多く眠っている場所でもあるため、これから経済成長していく期待がある国々でもあります。 前々から旧ソ連圏に行きたいと思っていたので、今回はこれらの国に行くことにしました。

  旧ソ連圏、つまり元社会主義の国々に僕が興味を持っている理由は、 冷戦時代には世界が資本主義と社会主義陣営に大きく分かれていて結果的に資本主義が勝ち (社会主義が自滅したとも捉えることはできますが)、 今や世界中のほとんどの国々がこの枠組みに入っているという中で、別の枠組みも経験したいと思っていたからです。 現代の資本主義の矛盾や限界を乗り越えるためには、資本主義内に社会主義的な枠組みもある程度は必要ではないかと思っていて、 今回行った国々は既に社会主義システムそのものは形式的には崩壊していますが、 そのような社会にも一度は直に触れてみたいと思っていたので今回行くことにしました。


タシケント空港

  今回僕はそんな中央アジアに友人と二人でバックパッカーとして旅に出ました。最初の国はウズベキスタン。 24日の13時30分頃に成田を発ち、ソウルでの乗り換え時間も含め7時間程で首都タシケントに到着しました。日本との時差は4時間。 到着してすぐ、僕らはこの旅最初の困難にぶつかりました。 今回行った3カ国のうち、キルギス以外はビザが必要でした。 なので、とりあえず入国する国のウズベキスタンビザだけ日本でとっておいて、カザフスタンのビザは現地でとろうと考えていました。 しかし、取得したウズベキビザはとってもらった友達の手違いで僕らが入国する24日からではなく27日から有効のビザでした。 実はこの事実を僕は当日の成田で出発直前に知りました。ビザをとってもらうため僕はパスポートをずっとその友達に預けていたので、 出発当日パスポートを受け取った際に手違いが発覚しました。もうどうしようもないので、そのまま出発したというわけです。

  到着後、ダメ元でパスポートコントロールを通過しようと試みました。きっと社会主義の名残がまだ残っていて、 労働者特に公務員は怠慢なはずだからきっといけるという変な期待をもっていました。しかし、期限がおかしいことはすぐにばれてしまいました。 その後、わけもわからないまま、ほかの人たちが全員通過するまで待たされました。 約1時間後、職員にこっちにくるよう言われたので行くと、預けていたパスポートのビザの入国日が修正されたものが出されました。 修正と行ってもただボールペンで上から書き直された物だったので、出国する際に面倒なことにならなければいいなと思ったものの、 とりあえず無事入国することに成功したのでそのときは気にしないことにしました。

  この時点でもう既に22時を過ぎていました。旅先では行き当たりばったりで行動することが好きなので、もちろん宿の予約はしていなかった。 とりあえずガイドブック (地球の歩き方の中央アジア編) に載っていた宿を探すべく僕らはタクシーで街の中心まで向かいました。 こっちのタクシーは全て交渉制で乗る前にいくらでいくかを自分で決めなければいけません。 最初は相場もほとんどわからないので日本人は特にぼったくられやすいのですが、今回はかなり現地人に近い相場で行くことができました。 最初二人で20ドルといわれましたが、最終的には一人2ドルで行けました。後から知った限りではそれでも多少高かったのですが、 時間が時間だったのと相場が分からなかったこともあったので自分の中ではまあよしとしました。 ちなみにウズベキスタンでは現地通貨スムとUSドルが両方使えます。公式レートでは大体1ドル1500スムです。 店にもよりますが夕食お腹いっぱい食べて大体4ドルくらいです。


30ドル分の現地紙幣

  空港から15分くらい走ると街の中心らしき場所に着きました。夜だったのであまり街の雰囲気は分かりませんでしたが、 タクシーに乗っているときに元社会主義の国に来たという事実に興奮したことは覚えています。 目当ての宿もその近くにあったので、そこへチェックイン。英語も通じました (これから先ほとんど英語が通じず苦労するとは、このときは夢にも思わなかった・・・)。 かなりいいところで、ダブルルーム (シングルベッドが二つある部屋) 一部屋50ドルでした。 もう遅かったし、ほかの宿を探す気力もなかったのでこの日は多少高くてもいいと自分に言い聞かせていました (次回以降に書きますが、結局この宿には長期間お世話になることになります。。。)。


初日に泊まった部屋

  荷物を置いた後、何か食べるものを探しに街へ出ましたが、このとき既に23時頃だったのでどこもやっていませんでした。 仕方なく戻ると、宿に3人の日本人のグループがいました。実はこの日本人達とはパスポートコントロールで知り合い、 彼らは当然正規のビザで難なく入国していたのですぐ別れました。そして宿で偶然再び出会うこととなり、同じ大学生ということもあってか意気投合しました。 部屋にフードサービスがあったので、その日の夜は僕らの部屋でビールを飲んでお互いの入国を祝いました。 ちなみにウズベキスタン含め今回行った中央アジアの国々はイスラム圏ですが、かなり世俗化が進んでおりアルコールは普通に飲めました。 ここはルームサービスなのでかなり高かったのですが大体700ml で200円程でした。 ビールを飲んだ後は空腹と疲れのせいかすぐいい気分になり、彼らと別れた後すぐに寝ました (とある街で彼らとはまた偶然会うことになります)。
  こんな調子で今回の僕の旅は始まりました。


ウズベキスタンの地図