日本軍性奴隷制の公式謝罪及び法的賠償を促す決議案

発議年月日:2007. 11. 13

発　議　者：
李美卿（イ・ミギョン・大統合民主新党）　・柳基洪（ユ・ギホン・新党）　・孫鳳淑（ソン・ポンスク・民主党）　 ・沈相ジョン（シム・サンジョン・民主労働党）　・文　姫（ムン・ヒ・ハン）　・姜基甲(カン・ギガプ・民労）　 ・康聖鍾(カン・ソンジョン・新党）　・姜恵淑（カン・ヘスク・新党）　・高鎭和（コ・ジンファ・ハン）　 ・高羲善（コ・ヒソン・ハン）　・権永吉（クォン・ヨンギル・民労）　・金教興（キム・ギョフン・新党）　 ・金徳圭（キム・ドッギュ・新党）　・金東�普iキム・ドンチョル・新党）　・金明子（キム・ミョンジャ・新党）　 ・金命柱（キム・ミョンジュ・ハン）　・金栄珠（キム・ヨンジュ・新党）　・金宇南（キム・ウナム・新党）　 ・金元基（キム・ウォンギ・新党）　・金元雄（キム・ウォンウン・新党）　・金才允（キム・ジェユン・新党）　 ・金正権（キム・ジョングォン・ハン）　・金鐘仁（キム・ジョンイン・民主）　・金椿鎭（キム・チュンジン・新党）　 ・金泰弘（キム・テホン･新党）　・金弘業（キム・ホンオプ・新党）　・金孝錫（キム・ヒョソク・新党）　 ・金希宣（キム・ヒソン・新党）　・羅卿（｢王」偏＋「爰」）（ナ・ギョンウォン・ハン）　・盧顯松（ノ・ヒョンソン・新党）　 ・魯会燦（ノ・フェチャン・民労）　・段炳浩（ダン・ビョンホ・民労）　・文喜相（ムン・ヒサン・新党）　 ・閔丙ドゥ（ミン・ビョンドゥ・新党）　・朴啓東（パク・ゲドン・ハン）　・朴明光（パク・ミョングァン・新党）　 ・朴炳錫（パク・ビョンソク・新党）　・朴映宣（パク・ヨンソン・新党）　・朴贊石（パク・チャンソク・新党）　 ・卞在一（ビョン・ジェイル・新党）　・徐甲源（ソ・ガッボン・新党）　・徐恵錫（ソ・ヘソク・新党）　 ・宣炳烈（ソン・ビョンリョル・新党）　・宋永吉（ソン・ヨンギル・新党）　・シン・ミョン（漢字なし・新党）　 ・沈載徳（シム・ジェドク・新党）　・安敏錫（アン・ミンソク・新党）　・梁承晁（ヤン・スンジョ・新党）　 ・梁享一（ヤン・ヒョンイル・新党）　・呉済世（オ・ジェセ・新党）　・禹相虎（ウ・サンホ・新党）　 ・禹済昌（ウ・ジェチャン・新党）　・禹済恒（ウ・ジェハン・新党）　・元恵栄（ウォン・ヘヨン･新党）　 ・元喜龍（ウォン・ヒリョン・ハン）　・劉承（「日｣偏＋「文」）（ユ・スンミン・ハン）　・柳時敏（ユ・シミン・新党）　 ・柳在乾（ユ・ジェゴン・新党）　・尹元昊（ユン・ウォンホ・新党）　・尹昊重（ユン・ホジュン・新党）　 ・李景淑（イ・ギョンスク・新党）　・李季振（イ・ゲジン・ハン）　・李光�普iイ・グァンチョル・新党）　 ・李穆煕（イ・モクヒ・新党）　・李相庚（イ・サンギョン・新党）　・李相�a（イ・サンミン・新党） ・李永順（イ・ヨンスン・民労）　・李銀栄（イ・ウンヨン・新党）　・李仁栄（イ・インヨン・新党）　 ・李鍾杰（イ・ジョンゴル・新党）　・李恵薫（イ・へフン・ハン）　・任鐘�ﾙ（イム・ジョンソク・新党）　 ・林鍾仁（イム・ジョンイン・無所属）　・張�Q秀（チャン・ギョンス・新党）　・張永達（チャン・ヨンダル・新党）　 ・張香淑（チャン・ヒャンスク・新党）　・鄭東采（チョン・ドンチェ・新党）　・鄭鳳株（チョン・ボンジュ・新党）　 ・鄭成湖（チョン・ソンホ・新党）　・丁世均（チョン・セギュン・新党）　・鄭清来（チョン・チョンネ・新党）　 ・諸淙吉（チェ・ジョンギル・新党）　・趙培淑（チョ・べスク・新党）　・�ﾞ（「馬」偏＋｢日」）鉉（チョ・イルヒョン・新党）　 ・池秉文（チ・ビョンムン・新党）　・蔡日炳（チェ・イルビョン・新党）　・千永世（チョン・ヨンセ・民労）　 ・千正培（チョン・ジョンベ・新党）　・崔�Q煥（チェ・ギョンファン・ハン）　・崔　星（チェ・ソン・新党）　 ・崔順永（チェ・スニョン・民労）　・崔宰誠（チェ・ジェソン・新党）　・韓光元（ハン・グァンウォン・新党）　 ・韓明淑（ハン・ミョンスク・新党）　・玄愛子（ヒョン・エジャ・民労）　・洪美英（ホン・ミヨン・新党）　 ・洪在馨（ホン・ジェヒョン・新党）　議員（97人)

主　文

　 大韓民国国会は、過去の対日抗争期に日本軍によって恣意的に行われた日本軍性奴隷制に対して、その間、国連人権委員会、国際労働機構、国際アムネスティ、米国下院などで、数回にわたり日本政府に勧告をしたが、日本政府はこれを受け入れていないことに対して、深刻な憂慮の意を表明し、韓日間の対日抗争期の過去事の問題の正しい解決は、以後の韓日間の友好協力にも役に立つであろうと信じて、次のとおり決議する。

1.　日本政府は政府機構として真相究明のための公式機構を作り、過去の日本軍のすべての文書を公開し、日本軍性奴隷制の犯罪についての真実を究明することを促す。

2.　日本政府の日本軍性奴隷制に対して、軍の強制を認め、国会の決議と閣議で決定した公式謝罪を促す。

3.　日本政府は日本軍性奴隷制の被害者に対して、「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」などのような法の制定を通して、被害者たちが受け入れられる法的賠償をすることを促す。

4.　日本政府は日本軍性奴隷制の犯罪についての真相を歴史教科書に記録し、以後類似の再発防止のための、平和教育を積極的に実施することを促す。

5.　韓国政府は日本軍性奴隷制の解決のための請求権交渉など、対日外交交渉を積極的に履行することを促す。

提案理由

　 2007年7月30日、米国下院の本会議で日本軍「慰安婦」謝罪決議案(HR121)が満場一致で通過した。日本軍「慰安婦」決議案は現在、米国でだけでなく、カナダ、オーストラリア、フィリピン、ヨーロッパの国家などの議会でも、決議案採択のための活動が進められていること。

　 日本軍性奴隷制(あるいは日本軍「慰安婦」制度)は、第2次世界大戦時に日本政府がアジア侵略戦争を遂行しながら、アジアの数多くの女性たち(最大20万人)を日本軍の性的奴隷として連行した、20世紀最大の人身売買犯罪であったこと。

　 1945年の解放以後、日本軍性奴隷制の犯罪についての真実は明らかにされず、これに対する法的責任もまた果されなかったこと。

　 1991年、長かった沈黙を破った日本軍「慰安婦」被害者の勇気ある証言以後、国際社会では1994年の国際法律家委員会報告書、1995年の国連人権委員会女性暴力問題特別報告官のラディカ・クマラスワミ報告書、1998年の国連人権小委員会武力紛争下の組織的強姦性奴隷制及び奴隷制類似の慣行に関する特別報告官のゲイ・マクドゥガル報告書、2000年の日本軍姓奴隷戦犯女性国際法廷の判決、2005年の国際赦免委員会報告書などを通して、日本軍の性奴隷制は人道に対する犯罪で、国際法違反の犯罪行為であり、日本政府はこの犯罪に対して国家的次元で謝罪と賠償をしなければならないことを勧告したこと。

　 このような国際社会の努力は、日本軍性奴隷制の問題が、被害を受けた生存者や加害/被害の該当国家だけの問題でなく、普遍的であり、また未来指向的な課題だという認識が拡散・深化されていることを確認させられること。

　 しかし、日本政府は、日本軍「慰安婦」問題に対する公式謝罪と賠償及び真相究明、再発防止のための人類の普遍的価値の実現に乗り出すどころか、国際社会の勧告を無視していること。

　 むしろ総理をはじめとする政治家たちは、日本軍性奴隷制の犯罪に対して、国家の責任を回避する発言を相変らず繰り返し、一部強制性を認定した1993年の「河野談話」を、再検討するという動きまで見せていること。

　 したがって大韓民国国会は、もう一度、日本政府が、高齢の日本軍「慰安婦」被害者たちを考慮して、日本軍性奴隷制犯罪の解決のために、速やかに積極的な措置を取ることを促し、同じく韓国政府も、問題解決をための積極的な対日外交交渉を実行することを促そうとすること。

[翻訳・森川静子]

　注記
＊ 名前に片仮名が入っているのは、韓国国会の公式名簿で、その文字がハングルで書かれているもの。
＊ 原文の発議者の名簿にはなかった所属党派を入れた。
＊ 党名の　大統合民主新党＝新党　　民主労働党＝民労　とした。