ムスリムへの違法捜査をきっかけに監視社会を考える
─「国家と情報」──出版記念シンポの開催
弁護士 井桁大介 11/2
大手銀行が、大手レンタカー会社が、国内のあらゆる宿泊施設が、
捜査機関から一声かけられただけで顧客の個人情報を根こそぎ開示している現実がある。
街中に備え付けられた監視カメラはいったい何のためか。捜査機関により収集された個人情報が顔写真付きの履歴書のような形で保管される目的は何か。
リスクを極限まで回避した社会で、人々が描きうる生活はどのようになるのか。
昨年10月、警視庁の公安情報がインターネットに流出し、テロとは無縁のイスラム教徒が個人情報を丸裸にされていた実態が明らかになった。
捜査機関は情報技術を駆使して監視社会化を加速させている。監視を進める社会学的な根拠も、監視の対象の明確化も、
監視の運用を定める法的枠組みすらないままに、監視主体が自ら作り出す雰囲気だけで物事が進められて行く。
次の監視の対象が誰になるのか、恐らく政府首脳ですら予見も自覚もしていないだろう。
加速する監視社会は、市民の自由にどのような影響を及ぼすことになるのか。
2011年11月11日18時より、総評会館402号室にて 「加速する監視社会と市民的自由」 と題するシンポジウムが行われる。
パネリストは斎藤貴男・青木理の両ジャーナリスト、気鋭の憲法学者の石埼学、ムスリム違法捜査追及護団の岩井信の各氏。
違法捜査とその情報流出事件を題材とし、この国で行われていることを見定め、描き出されつつある社会を探る。
国家と情報のあるべき姿を議論する場を作りたい。
たくさんの方のご参加をお待ちしたい。
※ シンポジウム詳細