本土でもオスプレイ訓練飛行、強行へ
ジャーナリスト 池田龍夫 2013.3.4
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  沖縄米軍は2月28日、普天間飛行場に配備された垂直離着陸飛行機MV22オスプレイのうち3機を3月6〜8日岩国基地(山口県)に移し、 低空飛行訓練を行うと防衛省に通告した。沖縄県を除く本土での初訓練である。

  米政府は昨年6月、沖縄へのオスプレイ配備の際、本土の東北・四国・九州など6ルートでの訓練計画も公表。 日米両政府は飛行高度を昼間は地上152メートル以上、夜間は304メートル以上とすることで合意している。 しかし、沖縄での飛行訓練では積荷の落下事故があったうえ、騒音被害に悩まされ続けている。 米空軍が飛行時間帯や高度を守らないからだ。このため沖縄県民の怒りは高まり、 1月27日に県民代表が東京日比谷公園で 「オスプレイ配備反対、普天間基地撤去」 の大集会を開き、安倍晋三首相への 「直訴状」 提出にまで及んだ。 政府は 「沖縄に過度の負担をかけない措置」 と説明するが、山口、高知県など訓練地域住民の反対運動は高まるに違いない。

(いけだ・たつお)
1930年生まれ、毎日新聞社整理本部長、中部本社編集局長などを歴任。
著書に 『新聞の虚報と誤報』 『崖っぷちの新聞』、共著に 『沖縄と日米安保』。