イラク 「クラスター爆弾禁止条約」 批准の波紋
ジャーナリスト 池田龍夫 2013.6.15
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  残虐きわまる 「クラスター爆弾禁止条約」(オスロ条約)をイラクが批准したことが、明らかになった。 批准から8年以内の廃棄、10年以内の不発弾除去を定めており、2010年に発効した。批准は83カ国に及び、日本も09年に批准している。
  毎日新聞6月3日付夕刊が報じたもので、「イラク戦争で米英軍は親爆弾で約1万3000発、子爆弾で180万〜200万発のクラスター爆弾を投下。 紛争後も大量の不発弾が市民を殺傷しており、これまでに3011人が死傷しているという。
  大量保有国の米国、ロシア、中国、イスラエルは禁止条約に加盟していないが、最も被害の大きいイラクが批准したことは、 米露などへの強いメッセージになると見られる。
  国際社会が不発弾処理や被害者支援にどう取り組むか、残虐な兵器を持ち続ける大国の横暴を許すことはできない。

(いけだ・たつお)
1930年生まれ、毎日新聞社整理本部長、中部本社編集局長などを歴任。
著書に 『新聞の虚報と誤報』 『崖っぷちの新聞』、共著に 『沖縄と日米安保』。