フィリピン台風大災害への自衛隊の貢献

ジャーナリスト 池田龍夫 2013.12.4
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  大型台風30号が11月8日、フィリピン・レイテ島に上陸して、住宅や構造物の約70〜80%が倒壊した。 これまでの報道によると、瞬間風速は105メートル(米海軍合同台風警報センター)、死者5000人余り、行方不明者は1600人にのぼった。
  自衛隊は大型輸送船3隻で陸自の1000人以上が救援・復興活動に臨み、大型輸送ヘリコプターや多数のトラックが犠牲者捜索、 破壊された建造物撤去に当たった。物資輸送や医療チームも派遣し救援活動が現在も続いている。 テレビを通じて見た映像は強烈で、東日本大震災(2011・3・11)を髣髴させる凄さだった。
  他国も救援に乗り出しているが、自衛隊の活躍は素晴らしい。 伊豆大島の豪雨被害救援を終えたばかりで、自衛隊の災害対策部隊の役割を再認識させられた。
  自衛隊は自国防衛の組織であり、他国の戦争に参加する(集団的自衛権)ことは許されていない。 従って、災害救援など国際秩序∴ロ持の役割に特化すべきだ。平和憲法の理念に基づいた崇高な行動を、今後も実践してほしい。
  私はかつて日本軍がフィリピンを侵略したことを思い出し、その懺悔の気持ち≠熹ス映されているように感じた。 災害復旧に当たる自衛隊に、フィリピン国民が感謝しているとの報道も嬉しいことだ。

(いけだ・たつお)
1930年生まれ、毎日新聞社整理本部長、中部本社編集局長などを歴任。
著書に 『新聞の虚報と誤報』 『崖っぷちの新聞』、共著に 『沖縄と日米安保』。