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旧優生保護法訴訟での東京高裁平田豊裁判長の所感

2022年3月14日

 東京高裁は、3 月11日不妊手術を強制した法律を違憲とした。
 高裁は除斥期間 (不法行為から20年経過していると被害者を救済しない) を正義に反するとして、14歳の時に事情を説明されないまま手術を受けさせられた男性に損害賠償を認めた。
 担当した平田豊裁判長は判決言渡しの後、異例の所感を法廷で述べた。
 3 月12日付け東京新聞朝刊がその全文を報道した。さまざまな反響を呼んでいるのでNPJも掲載したい。
  編集部

 旧優生保護法訴訟での東京高裁平田豊裁判長の所感

 控訴人は本件優生手術により、憲法が保障する平等権、幸福になる権利を侵害され、子をもうけることのできない身体にされました。しかし、決して、人としての価値が低くなったものでも、幸福になる権利を失ったわけでもありません。
 「優生手術は被害者の幸福の可能性を一方的に奪い去るものである」等と言われることがありますが、子をもうけることのできない人も個人として尊重され、他の人と平等に、幸福になる権利を有していることは言うまでもありません。
 優生手術が違憲・違法なものであること、その被害者に多大な精神的・肉体的損害を与えたことは明確にされなければなりませんが、これに対する憤りのあまり、逆に、優生手術の被害者を含む、子をもうけることのできない人たちに対する差別を確認し、または助長することとなり、その人たちの心情を傷つけることがあってはならないと考えます。報道等の際にも、十分留意していただきたいと思います。
 控訴人には、自らの身体のこと、優生手術を受けたこと、本件訴訟を提起したこと等によって、差別されることなく、これからも幸せに過ごしてもらいたいと願いますが、それを可能にする差別のない社会をつくっていくのは、国はもちろん、社会全体の責任であると考えます。
 そのためにも、優生手術から長い期間がたった後に提起された訴えであっても、その間に提訴できなかった事情が認められる以上、国の責任を不問に付すのは相当ではないと考えました。

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