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「桜を見る会・前夜祭」刑事告発にあたっての声明、告発状

2020年5月24日

「桜を見る会・前夜祭」刑事告発にあたっての声明、告発状

 

 本日、全国の弁護士・法学者659名が、「桜を見る会・前夜祭」問題について、東京地方検察庁に対して、安倍晋三首相ら 3 名を被告発人とする刑事告発を行いました。

 総理主催の「桜を見る会」は、安倍政権のもとで参加者・経費が急増しただけでなく、多数の安倍晋三後援会員が招待され、招待者の中に消費者被害の加害者や反社会的勢力の人物もいるなど、安倍首相による公的行事・税金の私物化が問題とされ、すでに背任罪での告発もなされています。
 また、その前日に安倍晋三後援会が主催して高級ホテルにおいて800人規模で開催された「前夜祭」についても、その収支報告を行わず、かつ、ホテルの正規の費用を大幅に下回る会費で実施されていたことが、政治資金規正法・公職選挙法に違反するとの指摘がなされていました。

 安倍首相は当事者として国民に対して真摯かつ誠実に説明する義務があったにもかかわらず、国会で問題となるとすぐに「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄し、招待者についても、「個人情報」を口実に国会での説明を拒否し続けてきました。また、「前夜祭」の収支についても、明細書・請求書等の資料の開示を拒否し、主催は個々の後援会員なので後援会は収支報告をする必要がないなど、不自然かつ不合理な弁明を繰り返し、国民の疑問に誠実に答える姿勢がまったくみられません。

 このような安倍首相の対応は、議会制民主主義の軽視にとどまらず、法の支配、法治主義をも踏みにじるものであり、到底容認できるものではありません。

 「桜を見る会・前夜祭」問題は、日本の政治の最高責任者である安倍首相自身 (安倍後援会と内閣府・内閣官房) に直接かかわるものであり、首相としての政治的・道義的な責任に止まらず、刑事責任を含む法的責任が問われる重大事件であり、その真相を明らかにし、責任を追及することが強く求められています。

 安倍首相自身が説明責任を果さず、与党 (自民党・公明党) の数の力によって国会での真相究明・責任追及が阻まれるという憂うべき状況を打開し、議会制民主主義、法の支配・法治主義を回復するためにも、検察による事実の究明と事件の徹底的な捜査を行う必要があります。

 この思いで、本日、刑事告発を行いました。

 私たちは、東京地方検察庁に対して、本件の重大性を真摯に受け止め、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現 (刑事訴訟法 1 条) するため、政権に忖度することなく、厳正公平・不偏不党の立場を貫き、強制捜査も含む徹底した捜査を行い、真相の究明と刑事責任の追及を迅速に行うことを強く求めます。

     2020年 5 月21日
     「桜を見る会」を追及する法律家の会
     告発人659名一同

 

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告 発 状



東京地方検察庁検事正曽木徹也殿

告発人住所
氏名 印

  被告発人
  住所 省略
  (東京都千代田区永田町 2 丁目 3 番 1 号首相官邸)
  氏名 安倍晋三
  職業 衆議院議員・内閣総理大臣
  生年月日 1954 (昭和29) 年11月12日

  被告発人
  住所 省略
  氏名 配川博之
  職業 安倍晋三後援会代表者

  被告発人
  住所 省略
  氏名 阿立豊彦
  職業 安倍晋三後援会会計責任者
 

第 1 告発の趣旨
1 被告発人安倍晋三、被告発人配川博之及び被告発人阿立豊彦の後記第 2 - 1 の所為は、刑法60条、政治資金規正法第25条 1 項 2 号、同法12条 1 項 1 号ホ及び同 2 号に該当する。

2 被告発人安倍晋三及び被告発人配川博之の後記第 2 - 2 の所為は、刑法60条、公職選挙法249条の5第1項及び同法199条の 5 第 1 項に該当する。

 よって、上記の被告発人らにつき、厳重な処罰を求め、告発する。

第 2 告発の事実
 被告発人安倍晋三 (以下、「被告発人安倍」という) は、2017 (平成29) 年10月22日施行の第48回衆議院議員選挙に際して山口県第 4 区から立候補し当選した衆議院議員、被告発人配川博之 (以下、「被告発人配川」という) は、安倍晋三後援会 (以下、「後援会」という) の代表者、被告発人阿立豊彦 (以下、「被告発人阿立」という) は、後援会の会計責任者であった者であるが、

1 被告発人安倍、被告発人配川及び被告発人阿立は、共謀の上、政治資金規正法第12条 1 項により、山口県選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出すべき後援会の収支報告書につき、2019 (令和元) 年 5 月下旬頃、山口県下関市東大和町 1 丁目 8 番16号所在の安倍晋三後援会事務所において、真実は、2018 (平成30) 年 4 月20日、ホテルニューオータニ東京において開催された宴会である「安倍晋三後援会桜を見る会前夜祭」 (以下、「前夜祭」又は「本件宴会」という) の参加費として、参加者 1 人あたり5000円の参加費に参加者数約800名を乗じた推計約400万円の収入があり、かつ、上記前夜祭の前後に、ホテルニューオータニ東京に対し、少なくとも上記推計約400万円の本件宴会代金を支出したにもかかわらず、後援会の2018 (平成30) 年分の収支報告書に、上記前夜祭に関する収入及び支出を記載せず、これを2019 (令和元) 年 5 月27日、山口県選挙管理委員会に提出し、

2 被告発人安倍及び被告発人配川は、共謀の上、法定の除外事由がないのに、2018 (平成30) 年 4 月20日、ホテルニューオータニ東京において開催された前夜祭において、後援会を介し、被告発人安倍の選挙区内にある後援会員約800名に対し、飲食費の 1 人あたり単価が少なくとも 1 万1000円程度であるところ、1 人あたり5000円の参加費のみを徴収し、もって 1 人あたり少なくとも6000円相当の酒食を無償で提供して寄附をしたものである。

以下 (第 3~ 6 ) は表題のみ
第 3 告発に至る経緯
第 4 告発事実 1 (政治資金規正法違反25条 1 項 2 号違反)
第 5 告発事実 2 (公職選挙法249条の 5 第 1 項違反)
第 6 被告発人安倍に共謀共同正犯が成立することについて
第 7 最後に

 以上のとおり、被告発人らに上記の各犯罪が成立することは明白である。
 前夜祭に関する収支の不記載は、政治資金の収支を公開することによって政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする政治資金規正法の趣旨(同法1条)に真っ向から反するものであり、極めて悪質である。
 また、後援会による違法な寄附は、選挙が選挙人の自由に表明する意思によって公正かつ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的とする公職選挙法の趣旨 (同法 1 条) に真っ向から反するものであり、極めて悪質である。
 しかも、前夜祭は 1 回だけの行事ではなく、後援会の恒例行事として、2013 (平成25) 年から2018 (平成30) 年まで 6 年連続 (本告発の対象としていない2019 (平成31) 年 4 月を含めると 7 年連続) で行われている。従って、収支報告書に記載されなかった収入、支出及び後援会が違法に行った寄付の合計額は巨額に上り、この意味でも悪質性は高い。

 内閣総理大臣たる被告発人安倍がこのような犯罪を犯していることは、民主政治の根幹を揺るがす事態であり、これを放置することは絶対に許されないことである。
 本告発にかかる事実につき、捜査当局が公正かつ厳正な捜査を行い、事案の真相を解明し、被告発人らが厳重に処罰されることを強く希望する。

 (2020年 5 月21日)

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