西日本6電力の供給、猛暑を乗り切った

ジャーナリスト 池田龍夫 2012.9.10
目次

  経済産業省・資源エネルギー庁が中部・北陸・関西・四国・九州6電力の推計をもとに、7、8月の電力状況をまとめ、 民主党のエネルギー・環境調査会に報告した。
  9月4日明らかになったもので、大飯原発(福井県おおい町)を再稼動させなくても、西日本各府県で供給電力に余裕のあったことが裏づけられた。 特に心配だった関電は、2010年度より10%以上の節電目標を掲げたが、実際は11・1%の節電につがったという。 「原発ゼロでもいける」 との証明を得た印象だが、エネルギー庁や経団連などは、「再稼動は、なお必要」 との姿勢を崩していない。
  市民や企業の節電努力が実ったことは喜ばしいことだが、日射量に恵まれ太陽光発電量の増加、水力発電量アップも、電力供給を下支えしたとみられる。 いずれにせよ、東電・東北・北海道電力を含めて猛暑を乗り切った実績は、「脱原発依存」 陣営への追い風になるに違いない。 野田佳彦政権が今回の電力調査結果に基づき、クリーンエネルギー政策構築に当たるよう強く要望したい。

(いけだ・たつお)
1930年生まれ、毎日新聞社整理本部長、中部本社編集局長などを歴任。
著書に 『新聞の虚報と誤報』 『崖っぷちの新聞』、共著に 『沖縄と日米安保』。