中国の新漁法 「虎網」 にビックリ
ジャーナリスト 池田龍夫 2012.12.26
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  食料争奪戦がにわかに高まってきた。13億人…世界の人口の5分の1を抱える中国は特に深刻だ。 コメや大豆、とうもろこしなどの輸入が激増、調達先の開拓にも狂奔しているという。 漁業資源も例外でなく、東シナ海では、日・中・韓・台湾の漁船が入り乱れて操業している。 その中でも中国の操業は凄まじく、その典型例が 「虎網」 と称する新漁法だ。

  朝日新聞12月21日付夕刊が、「虎網はわずか数年で300隻ほどにふくらんだ。長さ150bほどの袋状の仕掛けがあり、一網打尽の漁法だ。 この虎網を急増させたのは需要増だ。中国での魚介類消費は1人当たり年31キロ(09年)と、20年ほどで3倍になった。 まだ日本の半分余りだが13億人の人口を加味すると、世界の消費の3割を中国が占める。 現状では虎網の規制は難しく、資源の枯渇が心配されている」 と報じていたが、この新漁法にビックリした。 石油、鉱物、水資源などの買い漁りなどでも、強引な中国商法に国際的批判が高まっている。 野放図な資源外交は地球資源の枯渇へつながることを、中国をはじめ各国は深刻に受け止めなければならないと思う。

(いけだ・たつお)
1930年生まれ、毎日新聞社整理本部長、中部本社編集局長などを歴任。
著書に 『新聞の虚報と誤報』 『崖っぷちの新聞』、共著に 『沖縄と日米安保』。