汚染水の海洋流出、「規制委」 は積極的に取り組め

ジャーナリスト 池田龍夫 2013.8.30
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  福島第1原発からの放射線汚染水の海洋流出は深刻さを増している。原子力規制委員会(田中俊一委員長)は8月28日、 国際原子力事象評価(INES)に基づき、当初の評価尺度 「レベル1」(逸脱)を 「レベル3」(重大な異常事象)」 に引き上げると発表した。
  そもそも福島第1原発大爆発は、チェルノブイリ原発と同じ 「レベル7」 の烙印を押されていたが、 今回の汚染水漏れが 「レベル3」 と確認された影響は重大だ。
  8月29日付AFP電は、国際原子力機関(IAEA)は日本に対し、「状況をもっと明確に説明し、混乱を招く情報発信を行わないよう要請した」 と報じた。
  福島第1貯蔵タンクは約1000基あり、その一部から流出した汚染水は300トンにもなるという。 海洋汚染の恐怖拡大は、国際的混乱につながりかねない。その点、原子力規制の危機意識、取り組み方が甘かったと思えてならない。 こういう緊急事態の時こそ、「第3者委員会」 の権限を行使して、積極的対策を示してほしい。

(いけだ・たつお)
1930年生まれ、毎日新聞社整理本部長、中部本社編集局長などを歴任。
著書に 『新聞の虚報と誤報』 『崖っぷちの新聞』、共著に 『沖縄と日米安保』。