憲法改正 「極東地域に無益」 米軍当局者、異例の言及

ジャーナリスト 池田龍夫 2013.10.4
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  共同通信10月2日付配信によると、在韓米軍当局者は1日、韓国で記者団の質問に答え 「安倍晋三首相が意欲を示す憲法改正に関し、 地域にとって有益ではない」 と疑問を呈した。日本の憲法改正に向けた動きが韓国、中国との関係に悪影響を及ぼすとの懸念を示したもので、 米軍側としては異例の言及だ。安倍政権の言動に釘を刺した波紋は大きいだろう。
  米軍当局者は 「この数カ月間、安倍氏の発言を全て読んだ」 としたうえで、 憲法9条改正の動きが地域の安定に逆効果になるかとの質問に 「そう受け取られる恐れがあるのは明白だ」 とも述べた。
  この発言を受け、米国防総省のリトル報道官は 「米国は日米韓の協力拡大に期待している」 とする談話を発表しており、 改憲を急ぐ安倍政権を米側が注視していることは明らかだ。

(いけだ・たつお)
1930年生まれ、毎日新聞社整理本部長、中部本社編集局長などを歴任。
著書に 『新聞の虚報と誤報』 『崖っぷちの新聞』、共著に 『沖縄と日米安保』。