2009.1.15

Message from Gaza ガザからの叫び

【メールその32】
日時:2009年1月12日 14:29
件名:12日のガザ最新情報

  みなさんの努力と支援に感謝しています。家族も私も無事です。

  昨夜、攻撃目標になった小児病院は、ガザ市北部にある 「ムハンマド・アル=ドゥッラ病院」 だ。 また UNRWA の学校が昨日、ハーン・ユーニスの町で、攻撃目標にされた。民間人こそ最大の被害者だ。

  友人一家から今しがた聞いた話だ。引退した年配の元 UNRWA 職員の夫婦、アフメド・オスルフ (73歳) と妻のサミーラ(66歳)、 そして娘のアリージュ (25歳) はアパートの8階に住んでいた。隣の建物の激しい爆風で床に叩きつけられ、破片がアパートのなかに。 アパートはゆがんで危険な場所になってしまった!

  もはやアパートは安全な場所ではない; 多くの家族が彼らは隣のブロックの友人家族のもとに行った!
  ガザ市内にいる親戚や友人を頼って自宅アパートを去った。
  報道によれば、今日、7人が死んだ!

  死者の数は900人を超えた。公式の報道やメディアでは語られていないことだが、ガザの郊外にいくつもの遺体がある。 しかし、イスラエル軍支配化の地域にあるため誰もそこにたどりつけないのだ!

  書くチャンスがあればいつでも書くようにします。

【メールその33】
日時:2009年1月13日(火) 11:14
件名:恐怖の夜

  血まみれの夜だった。昨晩またイスラエルの地上攻撃があった!
  深夜1時半に始まり、6時45分まで続いた。またもうちの地区だった。
  戦車やヘリコプターに加えて、彼らは白リン弾も使った。地区全体が煌々と照らされた。

  彼らは大工 〔の工房?〕 と家一軒のつごう2箇所を焼き、ほかの複数の場所にも被害を与えた。 昨晩の攻撃は、3日前に行われた最初の攻撃にも増してすさまじかった!
  救急車と消防車がようやく戦闘地域にたどり着けたのは7時、攻撃がすべて収まってからだった!

  人々は脅え、さらに多くの家族がこの地区全体からガザ市内の別の地区へ逃げていった。だが、結局のところ、どこに行くというのだ。
  どこもみな狙われ、爆撃されるのだ。昨晩、ガザ市北部では複数の軍艦が爆弾を発射、15階建てのビルを破壊した!
  アル=アンダルス・タワーというビルだ。

  彼らはまたガザ・ビーチにある夏の行楽地も攻撃し、焼いてしまった!
  アル=ジャジーラというところだった! どんなに控えめに言っても、地獄のような夜だったことは確かだ。
  夕べ、ガザで眠れた人間がいたとは思えない!
  昨晩の負傷者についてはまだ分からない!
  恐ろしい状況だ!

【メールその34】
日時:2009年1月13日 0:10
件名:どうやって発信しているのか

  ヨーロッパにいる友人の一人から質問があった。こんな状況、絶えざるずっと戦闘が続いている中で、どうやって電子メールを送っているのかと。

  まず、かれこれ15日間、電気のない状況におかれている。飲み水もほとんどない。携帯は壊れていて、わずかにショートメッセージを送れるくらいだ。 電話線はずっとOKだが、時々、通っていないことがある。
  この間、小さな発電機を使ってラップトップのパソコンを動かしている。

  3日前、電気会社が変圧器と電線のメンテナンスをおこなったので、ふたたび電気が使えるようになった。水を上の階にある貯水槽に汲み上げた!
  とはいえ、電気は依然、来たと思ったら停電の繰り返しだ;
  2、3時間しか来ないときもあるし、10時間かそれ以上続くこともある。そのときに電子メールを送っている。 まったくもって尋常ならざることだが、とにかく機会を見つけては世界に向けて発信することが、私にとっていちばん重要なことなのだ。

【メールその35】
日時:2009年1月14日 1:16
件名:今夜のガザ

  ガザは今、ちょうど深夜1時15分だ。今日は比較的静穏だったように思う!
  そう思うのだが、実際は、F16によるガザ市への空襲があり、またラファの国境地帯に対しても集中的な空襲があったのだ!
  まさに今、イスラエルの攻撃用ヘリがガザ市の南の地区に照明弾を投下している!
  人道をめぐる状況は最悪に向かっている!
  毎日、新たな日が訪れるたびに、死者の数も負傷者の数も、都市部、農村部の両方で破壊も増加の一途をたどっている。

  環境についても言うまでもない。軍事作戦が終了するや否や、環境の危機が宣言されるだろう。そして、農業は完全にめちゃくちゃにされてしまった。 軍が作戦を展開しようと思うところはどこもかしこも、何百台もの戦車や軍用車が畑を走り回り、 イスラエルの軍事用ブルドーザーが植物をなぎ倒し木々を根こそぎにしているのだ!

  先のメッセージで、複数の UNRWA の学校が、家を失ったり、戦闘を恐れて家を逃げ出したパレスチナ人の避難所になっていると伝えた。 今日、そのメッセージを訂正したい。現在、パレスチナ人が暮らしている UNRWA の学校は全部で33。 どの学校にも120家族がいる (以前のメールでは120人と書いたが、そうではなく120家族だ)。 UNRWA が毛布や一日3度の食事をこれらの家族に提供している。地元の NGO も複数、寄付に加わっている。

  今日はまた、さらに何人かの外科医が病院を助けるためにガザに入ることを許された。 一方、ノルウェーの医療チーム (外科医2名) はシファー病院の外科で何日か仕事をしてガザを去った。 エジプト、ヨルダン、アルジェリア、サウジアラビア、スーダンからも医師たちが駆けつけている。 スーダンのチームはスーダンの人々が献血してくれた血液バッグをもってガザに向かっている途中だ。

  死者は、おおよそ 1000の命である; 負傷者は4300名以上に達している!
  死者のうち331人が子ども、99人が女性だ。遺体がいまだ瓦礫の下や野原にある者たちは含まれていない。 今日、たとえば医療チームがようやく攻撃初日に亡くなった者の遺体にたどり着くことができた!
  ガザ市北部にあるジャバリーヤ難民キャンプ出身の92歳の老人の遺体だ。老人は白旗を掲げていた!

  家族全員が行方知れずだったり、あるいは、家族のある者たちは行方不明、またある者たちは負傷したり、死亡したりといった家族について無数に話がある。
  爆撃で身体に障害を負った子どもたちや女性たちの話にも事欠かない!
  ショックやトラウマで心理的な手当てを必要とする者たちについての話もある!
  通りのそれぞれにたくさんの物語があり、家族それぞれにもいくつもの物語があるのだ!

【メールその36】 日時:2009年1月14日(水) 9:48
件名:ガザからグッド・モーニング

  昨晩のヘリコプターと戦闘爆撃機F16による監視活動にも爆撃活動にも何の変化も見られなかった; 狙われたのは主に民間人の住まいだ!
  たとえば、アル=ナーセル地区では夕べ、5軒の家がF16に攻撃された。 そのうちの一軒は、ガザのイスラーム大学 (IUG) の渉外部職員の家だった。
  ゼイトゥーン地区でも住宅が攻撃目標にされた!
  昨晩、F16のミサイルがシュイフ・ラドワーン墓地に着弾した!
  彼らはあと、どこを破壊するつもりなんだ!

  ある医者から言われたのだが、何百人もの負傷者たちが二度と回復することもなければ、ふつうの暮らしに戻ることもないという!
  ある15歳の少女のヴィデオを見た。少女はひざの上から両脚、切断されていた。 もう一人の少女は片脚しか残っていなかった、そしてほかの少女たちは・・・・・・外科手術室のキャパシティは限られているし、使える設備も貧弱なので、 健康をめぐる状況はどんどん悪化している。
  パレスチナ人の外科医を支援しにアラブ諸国といくつかのヨーロッパの国々から駆けつけた、60名から70名の医師たちが助けになってくれているが、 しかし、それでもなお、ガザにはいかなる治療も受けることができないでいる負傷者たちがいる・・・・・・また、13人の救急医が、勤務中に命を落とした; 何台もの救急車が、負傷者を救出し遺体を避難させようとして撃たれている!
  ぜんぶ感嘆符つきだ!