No．16
自衛隊では弾薬輸送車の目の前でタバコすっていいのだ
これは陸上自衛隊朝霞訓練場（東京都練馬区大泉学園町、埼玉県朝霞市など）での出来事である。
自衛隊などの規則を調べると朝霞訓練場使用管理規則というのがある。規則の３条を拝見すると使用統制責任者は第一師団長（東京都練馬区北町）、
管理責任者は朝霞駐屯地業務隊長と書いてある。
さらに部隊の実弾射撃訓練後の成果報告所を情報公開法で調べてみると、
安全チェックリスト項目というのがあり 「弾薬置き場から15メートル以内は火気厳禁。」 とも書いてある。
火薬類取締り法施行令というのもある、その15条７項には 「火薬類の近くでは喫煙し、又、火気を取り扱わないこと。」 とも書いてある。
けっして弾薬の付近でタバコをすってもいいとは書いてない。
以下の件はほんの一例である、実弾射撃のたびに弾薬付近での自衛官とタバコは切っても切れない良く見る光景である。
2010年３月８日、朝霞訓練場屋外実弾射撃訓練 ドキュメント
午前８時30分
陸上自衛隊朝霞訓練場より 「ドカーン」 ２発大砲のような大きな爆発音
８時50分
13ｍ縮尺射撃場付近に赤･黄色・青のヘルメット姿の隊員10数名待機。
第一普通科連隊（練馬区北町）のジープ見える。そのすぐ脇で複数の隊員がタバコをいっぷく。
９時４分
13ｍ縮尺射撃場付近駐車場に車両多数。
11時２分
射撃場管理事務所北側道路に弾薬輸送用車両数台（赤地に白色の火と目立つ標識をつけた第一普通科連隊の牽引車含む）が駐車。
車を点検する隊員や運転手など数人乗車している。
ハーレーダビットソンのドドドと突然排気音が響く。
（朝霞駐屯地は隊員所有で通勤に使用していると回答している）規則に拠れば、私有車の乗り入れは原則禁止である、
必要の場合は許可を受けると明記されている。
弾薬輸送の車列の真横に米国製の大型オートバイが駐車していた。
11時３分
弾薬輸送の運転手に別の隊員がくわえタバコで話しかける。
11時16分
黄色や白いヘルメットの別の隊員も弾薬輸送車の目の前でいっぷく。
11時48分
吸う隊員が極端に増える。10人は超える。タバコの煙がもうもうと上がっている、北風にあおられタバコの臭いが隣接する公園まで達する。
部隊名のイニシャルが書かれた赤い吸殻入れが見える。
12時
弾薬輸送車付近で隊員は昼食立ち食い。
12時24分
まだまだ、吸い続けている。弾薬の入ってると思われる目の前でも一人二人とライターに火をつける。住民が見ている前で堂々と吸い続ける。
昼休み、射撃場の目の前の公園に訪れた民間のガードマン二人も喫煙を目撃。「危ないね」
12時51分
13ｍ縮尺射撃場付近の隊員たちが集まっている。車両の間には吸殻入れが見える。ダダダダッ射撃が始まる。
同時に赤い警戒旗や赤色の吹流しが上がる。
午後、練馬平和委員会は練馬区役所を訪問した、屋外実弾射撃の写真を見た職員は 「決定的な写真です、ひどいですね」。
その後練馬平和委員会は新座市や朝霞駐屯地に状況を説明し写真を提供している。
新座市「喫煙は住民に誤解を与える」
３月30日、新座市役所企画課は朝霞駐屯地の地域連絡調整課と連絡を取ったところ、
「弾薬運搬車両付近での隊員の喫煙については運搬が済んだ後のこと、
喫煙に関して定められた危険のない距離（射撃場から）で行なっており安全面で特に問題なかった。」
という回答が寄せられ、「近隣住民に誤解を受けることのないよう配慮をお願いする」 と自衛隊に要請した。
新座消防署 「タバコは火薬積んでいても、いなくても不安」
３月31日、新座消防署消防課予防係は平和委員会へ自衛隊の火気の扱いについて 「自衛隊は火薬類取締法や運送規則の法規。
消防は消防法の火気使用制限について権限がある、法規が違うので強制的調査できない。自衛隊の回答を信じるしかない。
火気予防上の見地から火薬類輸送車の表示がある近くで喫煙しているとは、
火薬類を積載しているかいないかに関わらず一般の方に不安を抱かせる行為には違いないと考える」と回答した。
幹部自衛官怒る 「上からヤキを入れろ」
練馬区内の幹部自衛官は 「現場の写真までとって住民から要望が出されたらその現場で確認したうえで住民に答えるべきだ、
灰皿を持って訓練とは・・麻痺している、してはならないことだ、まず謝罪することが先決だろう住民の声を真摯に受け止めるべきだ、
だから自衛隊の常識は世間の非常識だといわれる。上からヤキを入れてもらったほうがいい」 と頭を抱える。
2010年１月14日琉球新報は 「陸上自衛隊第一混成団（那覇市）の実弾演習が可能な沖縄射場が完成、
年間200日延べ７千人がライフルや機関銃などの小火器の訓練を行い、射撃検定に使用する。
武内誠一陸将補は屋内射場なので、雨水による鉛汚染や射撃に伴う騒音の心配もなく、周辺への安全・環境汚染への十分な配慮がされていると、
安全性を強調した」と報道している。
一方、同年８月25日付けあづま（東部方面総監部発行広報紙）は 「相馬が原演習場に続き12旅団に２ヶ所目の至近距離射場（屋外）が新設。
環境問題への対応として鉛対策のための排水設備、排弾回収を容易にするために停弾提を保護するバックストップを設置した」 と報道した。
双方とも市街地の朝霞射場と違い山間部である。
やがて屋外射撃は中止になるだろう
２月８日防衛省大臣官房環境対策室・文書課は平和大会練馬実行委員会へ 「射撃場場内や周辺に飲用の井戸が存在していない、
黒目川にも排水してない」 と回答した。「周辺に飲用の井戸が存在しない」 とした根拠となる調査データーは未だ公表されてない。
平和委員会の調査では、朝霞射撃場付近の新座市畑中の工場において地下水をくみ上げ飲用に使用していること、
朝霞訓練場に隣接する朝霞市膝折の氷川神社の飲用不可とも表示のない 「手水」 は湧き水を使用し、
朝霞射撃場に隣接する新座市営霊園も地下水をくみ上げ利用している実態が明らかになった。
朝霞射場付近は武蔵野台地の関東ローム層であり大変複雑な水脈である、汚染された鉛がどこをどう通ってどの地下水に流れ込むか未知数だ、
調査して屋外射撃の中止を望む。
第２回防衛省交渉は７月に予定されている。
