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川内、伊方原発再稼働を急ぐな

寄稿:池田龍夫

2015年5月29日

原子力規制委員会は5月27日、九州電力川内原発1,2号機(鹿児島県)運転や事故時の対応手順を定めた「保安規定」を認可した。これで再稼働に必要な3つの許認可がすべてそろい、新規制基準に基づく審査は終了。九電は1号機は7月下旬、2号機は9月下旬の再稼働を目指しているが、使用前検査の進行次第では遅れる可能性もある。防災計画が必要な30キロ圏内の9市町村に計21万4000人が住んでおり、慎重な対応が求められている。

これより先、規制委は20日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の安全対策が新規制基準に適合するとした「審査書案」を了承した。年内に稼働させたい意向で、運転や事故時の対応手順を定めた保安規定の認可手続きを進める。

安倍首相の政治姿勢に失望

佐田岬の伊方原発から西側には約5000人が住んでいる。もし、巨大地震が事故を誘発した場合、津波も襲ってきて海側への避難を阻む可能性がある。しかし現段階では複合災害への抜本的な対策が示されておらず、住民の不安が高まっている。認可後の設備検査にも3カ月はかかるとみられ、年内の再稼働は難しそうである。

安倍晋三首相は、規制委の安全審査に合格した原発の再稼働を進めると繰り返しているが、拙速は禁物。複合災害に対する最終責任は、国が負うべき問題であるからだ。

ドイツの「脱原発」への決断は素晴らしい

お粗末な日本の原発政策と対照的なのがドイツである。ドイツ政府が「脱原発」の方針を閣議決定したのは、2011年6月6日だった。国内に17基ある原発のうち福島第一原発事故後早々と運転を停止たさせた8基は再稼働させず、そのまま閉鎖。残りの9基は段階的に止めて2022年に全廃するという「脱原発」へ向けての具体的な行程表が決定された。同時に核エネルギーに代わって風力など再生可能な自然エネルギーへの転換を図っていく方針も決めた。この政府案を連邦議会が賛成多数で承認したのが6月30日で、7月8日、連邦参議院も承認、法的手続きが完了したのは福島原発事故から3カ月あまりのスピードだった。メルケル首相の政治的決断には脱帽せざるを得ない。と同時に、事故当事国の日本政府が原発再稼働に固執する旧態いぜんたる政治姿勢が悲しい。

池田龍夫(いけだ・たつお) 毎日新聞OB。

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