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琉球新報・沖縄タイムスが〝言論弾圧〟に抗議声明

寄稿:池田龍夫

2015年7月1日

自民党青年局主催の勉強会で出た「沖縄県紙二つはつぶせ」などの暴論は波紋を広げている。沖縄県紙は6月28日、編集局長連名で抗議声明を出した。「言論弾圧は許せない」との怒りは至極もっともであり、その全文を紹介したい。

普天間飛行場の歴史的経緯も知らぬ暴論

「百田尚樹氏の『沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない』という発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという〝言論弾圧〟の発想そのものであり、民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論にほかならない。
百田氏の発言は自由だが、政権与党である自民党の国会議員が党本部で開いた会合の席上であり、むしろ出席した議員側が沖縄の地元紙への批判を展開し、百田氏の発言を引き出している。その経緯も含め、看過できるものではない。
さらに「米軍普天間飛行場は、もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」とも述べた。戦前の宜野湾村役場は現在の滑走路近くにあり、琉球王国以来、地域の中心地だった。沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれたことは重大だ。その訂正も求めたい。

権力監視をゆるがせにせず

戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。戦争につながるような報道は二度としないという考えが、報道姿勢のベースにある。
政府に批判的な報道は、権力監視の役割を担うメディアにとって当然であり、批判的な報道ができる社会こそが健全だと考える。にもかかわらず、批判的だからつぶすべきだ―という短絡的な発想は極めて危険であり、沖縄の2つの新聞に限らず、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだと思う。沖縄タイムス・琉球新報は、今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する。

琉球新報編集局長・潮平芳和
沖縄タイムス編集局長・武富和彦

〝戦前回帰〟の時代風潮を断固阻止

日本新聞協会も6月29日「報道弾圧」に対し抗議声明を出したが、本土紙も本土住民もその意味を深刻に受け止めなければならない。安倍首相が「極めて遺憾」と述べたものの、政府としての謝罪は「党の問題だ」として拒否した。報道弾圧を放置すると、それこそ〝戦前回帰〟につながる怖れがある。

池田龍夫 (いけだ・たつお)毎日新聞OB。

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