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イラク派遣自衛隊宿営地へ攻撃、内部文書に驚愕

寄稿:池田龍夫

2015年7月23日

イラクに派遣された元自衛官(53)の「戦争に前方も後方もない」との訴えを先の本欄で取り上げたが、朝日新聞7月17日付朝刊は自衛隊内部文書を特報し、イラク派遣隊員の危険な実態を暴いた。

イラク復興支援特別措置法に基づき、2003年12月から09年2月にかけ、陸上自衛官延べ約5600人、航空自衛官延べ約3600人を派遣。陸自は学校や道路の修復など、空自はバグダットなどへ多国籍軍兵士らを空輸する活動に携わった。

イラク特措法では、「非戦闘地域」で自衛隊が活動しているはずだった。ところが、05年6月23日はにサマワ市内の陸自車両近くで爆発が起きたほか、宿営地への迫撃砲攻撃もあった。陸自の文書では、「隊員に対して訓練を徹底し、危ないと思ったら撃て」と指導していた指揮官が多かったという。至近距離での射撃や、機関銃を連射して敵を圧倒する訓練も行なっていた。「非戦闘地域への派遣だから心配ない」との政府説明のまやかしが明らかになり、安倍政権の「行け行けドンドン」の強攻策に驚愕した。

この内部文書は衆院安保法制特別委で野党が公開を求めていた。これに対し防衛省は文書の多くを黒塗りにして提示したという。恐るべき隠蔽工作ではないか。

池田龍夫(いけだ・たつお) 毎日新聞OB

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