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宮城県丸森町筆甫地区の原発ADR集団申立て
福島県と同等の賠償を認める和解案を東京電力が受諾

2014年6月17日

宮城県最南部に位置する丸森町筆甫地区の住民及び避難者による原発賠償の集団申立てに対して、原子力損害賠償紛争解決センターが提示した福島市や郡山市などの自主的避難等対象区域と同等の賠償を認める和解案について、6月17日、申立人および東京電力の双方が、和解案を受諾する旨を回答し、和解が成立することになりました。

これにより、福島県外ではじめて、福島市や郡山市などの自主的避難等対象区域と同基準での賠償が行われることになります。今回の和解により、これまで原子力損害賠償紛争審査会が策定した指針や東京電力による独自の賠償基準によって生じてきた地域格差の不合理性を、東京電力自身も認めざるを得ないことが明らかになりました。また、自主的避難等対象区域と比較して少額の賠償しかなされていない福島県県南地域や丸森町の他地区、住民の放射能被害に対して一切の賠償がなされていない福島県会津地方、丸森町以外の宮城県県南地域、栃木県県北地域などについても、現在の賠償のあり方が問われることになります。

申立人コメント

東電が和解に応じると聞き、大変喜んでいる。放射能は県境超えているのに、賠償が県境で断ち切られていたことは遺憾だった。自然と共存する生活をしてきたのに、放射能で生きる糧を失った。これまでの被害をやっと分かってもらえたという気持ち。他の県にも苦しんでいる人がいるので、きちんと補償を認めて欲しい。(50代女性)

(東電の受諾については)当然のことだと思う。筆甫は、これまでずっと農業をやったり山菜を取って食べて生きていくような場所なのに、事故が起こって、悔しい。微々たるお金で解決できるものではないと本当は思う。東電には、自然を元に戻せないなら、今後も元に戻せるよう努力してほしい。(池田えり子)

東電が受諾してくれたことは嬉しいが、全てが解決する訳でなく、様々な面で福島と違いがあるので、除染や健康調査などその差をなくしていってほしい」(吉澤武志)

弁護団コメント

今回の和解は、原発事故の被害が福島県外にも広がっていることを東京電力に認めさせた点において、大きな成果です。今後、放射性物質で汚染されているにもかかわらず東電からの賠償において不当な扱いを受けている福島県県南地域や栃木県県北地域などの地域の賠償についても積極的に取り組んでいきます。(筆甫地区損害賠償弁護団 尾谷恒治団長)

 

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