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【NPJ通信・連載記事】練馬自衛隊基地ウオッチング~ダイコンと基地の街~/坂本 茂

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裏切りません!ショウグン殿=ランザ中将殿 集団的自衛権と日米軍事演習について想う

2015年1月24日

防衛省によれば、2014年12月2日(火)から15日(月)まで、「平成26年度日米共同方面隊指揮所演習(コードネームはYama Sakura-67」が実施された。日本側は陸上幕僚長が、米国側は太平洋陸軍司令官が演習を統裁して、陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬区)を中心に日米双方で約6500人が参加した。

情報提供は皆無

2014年3月、朝霞駐屯地周辺自治体へ無通告で軍事演習の準備が始まった。

やっと説明に腰を上げたのが、同年9月26日。朝霞駐屯地にある東部方面総監部地域連絡調整課が、練馬区総務課などに説明に来た。とはいえ、口頭で、概要のみだ。

練馬区は、市民にも聞かれ、区役所として知っておきたいとして、

① 演習のいきさつ

② 法的根拠手続き

③ 演習計画

などについて、質問したが答えが返ってこなかった。

一方、同年11月17日、朝霞駐屯地を抱える朝霞市、新座市、和光市の3市長が北関東防衛局へ出向き、日米軍事演習に関して住民の不安を解消せよと要望した。

演習は国民保護訓練も実施するというが、具体的な中身について自治体へ情報提供せず終了した。そして12月16日、東部方面総監部地域連絡調整課は練馬区などへ「無事にすみました」と儀礼(・・)的な報告をした。

なお、10年前にも共同演習を取材した筆者は、12月8日の記者会見の取材を東部方面総監部へ申し入れたが「会場が狭い」という意味不明な理由で断られた。

同年11月22日午前11時、住民代表らが日米軍事演習中止を求めて、朝霞駐屯地正門前で要請行動をした。正門前に、朝霞駐屯地業務隊長が、約束から5分遅れて現れた。自衛隊内なら“5分前行動”が原則と言われている。5分遅れの行動では、有事の際に数百人の部下が死ぬこともありうるのではないか?

右はつばの広い帽子をかぶるオーストラリア陸軍の兵隊。その後ろは戦闘服の米兵。遠くに自衛官の姿も。

右はつばの広い帽子をかぶるオーストラリア陸軍の兵隊。その後ろは戦闘服の米兵。遠くに自衛官の姿も。

日米の連携 更に深 “便の匂いで住民に迷惑かけない” 

6年前の日米軍事演習のときには、参加人数が5700人の多数で浄化槽が溢れ、大便などが処理されずそのまま川に溢れ出すという失敗をした。今回はそれを上回る6500人の過去最大規模だ。朝霞駐屯地の自衛官を含めれば1万人を超えるだろう。自衛隊は練馬区へ「汚水処理で前回(6年前)の轍を踏まないよう、簡易トイレを前回より増設、シャワーや台所など水道の制限を心がける」と説明している。

一方、朝霞駐屯地は「仮設トイレを200個準備したが、6年前から浄化槽の容量は増やしてない」とも説明する、浄化槽の容量は7200人槽に過ぎない。果たして大丈夫か?集中豪雨がなければいいが・・・と心配の念が募る。

日米軍事演習の真っ只中 埼玉県は浄化槽へ立ち入り検査を行った!

朝霞駐屯地の浄化槽指導は、埼玉県西部環境管理事務所の管轄だ。日米共同演習3日目の12月4日に、立ち入り調査を実施している。これは異例なことだ。

自衛隊は埼玉県に「今回の演習で兵隊はレトルトで食事、汚水は最小限にする」と約束したが、米兵もきちんと約束を守ったかどうか?埼玉県の調査は浄化槽のみで、台所や食堂までは立ち入り調査はできないそうだ。同事務所は和光市を流れる越戸川(浄化槽で汚水処理された排水を受け入れる一級河川)の源流に立地している浄化槽について「朝霞駐屯地の浄化槽は電気系統も低地に設置され、高いところからも雨水も流れこむ設計で、建築基準法に違反はないが、一番心配なのは大きな地震だ」と指摘している。

その後少し経って、朝霞駐屯地の浄化槽付近で大便臭い匂いが周囲に漂っていたが、いまだに原因は不明のままだ。浄化槽問題についてある有名な新聞記者に話したところ、「浄化槽ひとつ、満足に管理できない自衛隊。有事になれば、駐屯地もご近所も糞まみれになることでしょうね。」と苦笑していた。

いよいよ秘密めいた日米軍事演習が12月2日から始まった

軍事演習のシンボルマーク。米軍に提供した研修棟。契約違反の駐車場(P)。

軍事演習のシンボルマーク。米軍に提供した研修棟。契約違反の駐車場(P)。

参加する自衛官のネームプレート(軍服につける)に、今回の軍事演習のイメージマークの円形のロゴが付いている。左側に星条旗、右側に日の丸、葛飾北斎の赤富士と脇に桜の花、バックには、数年前のNHK大河ドラマのパクリかだろうか、横書きで () () () と東部方面総監が揮毫した文字が並んでいた。サムライとかショウグンなど、米軍は演習のネーミングに日本語をあしらうのがお好きのようだ。

演習中、米軍の将官は部下たちに7項目にわたる禁止命令を掲げた。

部下たちが外出する門の内側に、英文で、夜間外出にあたっての禁止事項などを表示した看板が立てられていた。主だったものを挙げると

・夜間外出(24:00~05:00まで)

・軍服での外出

・銃や長いナイフの所持

・ギャンブルやポルノ遊び

ところが、米軍の将官の部下たちは字が読めないのか、宿泊しているサンシャインシティプリンスホテル(東京都豊島区)で、戦闘帽をかぶり、迷彩服、軍靴、背嚢を背負ってロビーを歩き回っている。交番の警官に尋ねると「軍事オタクではない。朝霞で日米軍事演習のため米兵と自衛官などがこのホテルに宿泊している」とのんきな説明をする。

さらに朝霞駐屯地内には

Do not  jog  CW!! ジョギングは右回り禁止

と英語と日本語で大きな看板が数箇所掲げてあるが、大半の米兵たちは看板を無視して右周りで走っている。見落としたのか?字が読めないのか?

一方、自衛官は忠実に左回りに走り続けるが、米兵には注意一つできない。日米軍事演習なのだが、自衛官のわずかしか英語が話せないし、理解できないそうだ。

ケネディ駐日米国大使の駐屯地訪問 ~ () () () () () デー 

12月8日、キャロライン・ケネディ駐日米国大使が朝霞駐屯地を訪問した。

この日は“重要警備”と称し、防弾チョッキなど着用した自衛官が朝霞駐屯地の正門などで車両の下までミラーで検査していた。オーストラリア兵も参加した演習開始式は、外から見えない東部方面音楽隊の広場で密やかに実施された。

ケネディ大使と米軍将官は、東部方面総監部前に作られた花道を笑顔で行進した。花道では自衛官10名が“重い(おもい)(やり)”!?に、星条旗と八咫(やた)(がらす)をかたどった金色に輝く玉の下の日の丸 を交互に並べて歓迎した。彼女は、米兵1人あたり約1300万円の“思いやり予算”に大喜びで“サンキューベルマッチョ”と笑顔で愛嬌を振りまいていた。

その物々しい、儀式なような“重要警備”は一日のみで終わった。

まだまだある 米軍への思いやり

旗ざお=長槍??を持ち「重い~」と、乱れる行軍

旗ざお=長槍??を持ち「重い~」と、乱れる行軍

2014年11月7日、日米合同委員会で、日米地位協定に基づき、米軍へ朝霞駐屯地の土地と研修棟などの建物を提供したことが、官報に掲載されている。その研修棟西側の土地(駐車場)は、日米地位協定2条4項b(*注)で米軍に提供していないことを、北関東防衛局基盤整備課が認めているのだが、米軍は演習期間中ずっと駐車場として使用した。

米軍の将官は「義」を重んじる自衛官に「駐車場が遠すぎる。今日からここを使うぞ、急いで俺様の車の駐車用プレートを設置せよ」とでも命令したのだろうか。

米軍へ駐車場としての土地を提供していなくても、防衛省には“日米兵站管理支援合意書”なるものが存在するという。無条件降伏とはこういうものなのだろうか。

演習の期間中の中盤頃、夜の凍てついた朝霞駐屯地で、24時間体制で警備勤務したのは、() () () の名のもと、「義」に忠実な新潟・長野・福島から来た部隊だ。フェンス越しに10数人の自衛官に話しかけてみた。「集団的自衛権行使によって 敵を殺しかつ、死ぬ覚悟は」と聞くと、ほとんど隊員たちは集団的自衛権行使・原発問題について大いに悩み疑問を抱いていた。そんな様子では自衛官の士気は下がるばかりなのだが・・・何はともあれ、自衛官の皆様ご苦労であった。

最後に一言、安倍首相よ “()()()”である自衛官、そして、住民を裏切るな!

*日米地位協定第2条4項b:合衆国軍隊が一定の期間を限つて使用すべき施設及び区域に関しては、合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない。

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