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首相が読んでいないというポツダム宣言を読んでみた件

寄稿:明日の自由を守る若手弁護士の会

2015年6月1日

先日、1年ぶりの党首討論で、安倍首相がポツダム宣言を読んだことがないとおっしゃったということで話題になっていますね。

共産党の志位さんが、ポツダム宣言が日本の侵略戦争を批判しているが、首相はこのポツダム宣言の認識を認めるか、と質問しました。

これに対して、安倍首相が、

「ポツダム宣言をつまびらかにしたことはありませんが、連合国の理解について論評はできない」

と答えたとのこと。

日本の首相が、

しかも戦後レジームからの脱却を目指すと言っている首相が、

ポツダム宣言をつまびらかにしたことはないというのは、少しびっくりしてしまいました。

これも良い機会ですので、ポツダム宣言をみてみましょう。

実は、全文でもとても短いものです。

http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j06.html

今日の党首討論で話題になったのは、6条と8条です。

6条は、無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは平和、安全及び正義の新しい秩序が生まれない、なので、日本国国民をだまして世界征服などという行動に出る誤りを犯させた者の権力と勢力を永久に取り除くべき

と言っています。

つまり、大日本帝国の軍国主義を厳しく批判し、

先の大戦のことを「世界征服」を目指した、つまり侵略戦争だったと言っているわけですね。

続いて8条も、カイロ宣言をちゃんと実現すべき、と言っていて、

そのカイロ宣言というのは、

日本が中国から「盗取した」地域を中国に返すとか、

日本が暴力と貪欲によって日本が「略取した」とか、

朝鮮人が「奴隷状態」にあるとか、

大日本帝国の行動を厳しく非難しているものです。

日本は、1945年8月14日にポツダム宣言を受諾し、戦争に負けます。

こういった厳しい内容の宣言を受け入れることで、日本の戦後は始まったわけです。

安倍首相が脱却を願う「戦後」ですね。

まさに批判対象そのものです。

このポツダム宣言は、日本の戦後のいわば基盤です。

たとえば、10条で民主主義を強化すべきといって、言論の自由、宗教の自由、思想の自由や基本的人権の尊重を確立すべきと言っています。

6条では軍国主義を完全に追い払うと言い、

7条では日本の戦争遂行能力を破壊すると言っています。

…なんか、日本国憲法みたい、と思った方、鋭いですね。

こんな内容のポツダム宣言を受け入れた以上、明治憲法をもっと民主主義的な憲法に改正することは当然のことだったんですね。

ほかにも、8条で日本の領土を決めていたりしますが、これは領土問題を考える上で避けて通れない条文ですね。

このように、今の日本の基盤となっているポツダム宣言。

みなさんも、安倍首相と一緒に勉強するつもりで読んでみませんか?

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