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「平和」でも「安全」でもない法制!? とりあえずここだけは ~その②~

寄稿:明日の自由を守る若手弁護士の会

2015年6月9日

シリーズ2回目です。

◆その② 重要影響事態…?◆

「重要影響事態」って、また漢字ばっかりで嫌になりますけど、言葉を分けてみると「重要」な「影響」がある「事態」となります。なんとなく意味は分かる気がしますが、それでもどんな「事態」なのか、これだけではイメージできないですよね(>_<)

 

 

<どこでも行けちゃいます>

実は、「重要影響事態」は「周辺事態法」を改正して新たに作られる考え方なのですが、「周辺事態」の定義も「重要」な「影響」がある「事態」なんです。

違うのは、周辺事態には「我が国周辺の地域における」という言葉が入っていること。

つまり、今回の改正では、この「我が国周辺の地域における」という言葉がなくなるんです。

ということは、世界中どこでも「重要」な「影響」がある「事態」が発生すれば、この法律に基づいて自衛隊が活動することになります。

 

<戦闘地域でもOK>

さらに実は、の話なのですが、このように地理的な制約がなくなるだけじゃありません。

自衛隊が行う活動の地域・内容も拡大しちゃいます。

まず地域ですが、「周辺事態法」では、自衛隊が活動する場所は「後方地域」に限られていました。

それが今回の法改正では、戦闘現場でなければOKとなります。

そして内容ですが、これまで禁止されていた弾薬の提供や航空機に対する給油も解禁となります。

そうすると、さっきまで戦闘現場だったけど一時的に戦闘が中止しているような場所で、自衛隊が米軍等に切れた弾薬を提供したりすることもできるようになります。

これって、「武力行使の一体化」って言えません?

<事後承認でもOK>

またまた実は、の話なのですが、今回新設されようとしている「国際平和支援法」というのと「重要影響事態法」って、活動地域も内容もほとんど一緒なんです。

違うのは、「国際平和支援法」が「国際社会の平和と安全」を目的とするのに対して、「重要影響事態法」は「日本の平和と安全」を目的とするということ。

で、与党協議で問題となっていた国会の事前承認というのは、「国際平和支援法」で必要となったのですが、「重要影響事態」は「日本の平和と安全」にとって「重要」な「影響」のある「事態」なので、例外的に国会の事後承認が認められます。

何かだまされた気分…。

<結局、重要影響事態って何?>

と、「重要影響事態」について説明してきましたが、イメージはつかめましたか?

えっ、よく分からない?

そうかもしれません。

そもそも、どんな事態になれば「日本の平和と安全」にとって「重要」な「影響」のある「事態」と言えるのかよくわかりませんし、それを判断する政府の腹一つ。

そして、「重要影響事態」って判断されれば、自衛隊が危険な地域で「武力行使の一体化」と言えるような活動をする。

こういう憲法違反の仕組みを作ること自体、問題大アリです。

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