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自民党さんのチラシがすごい!なになに、『平和安全法制』だって!?ホントかな? シリーズ⑤

寄稿:明日の自由を守る若手弁護士の会

2015年7月29日

自民党さん作の「平和安全法制の整備」なるチラシについて

今回のツッコミ対象は

「平和安全法制のポイント 国際貢献を拡大します」

について!

自民党さんによりますと、

「自衛隊がこれまでも参加してきた国連PKOに加え、有志国が実施する類似の活動にも、PKOと同様の条件を満たせば、参加できるようにします」

「付近で活動中の日本人ボランティア等に危険が及ぶような時は、自衛隊が駆け付けて警護できるようにし、そのようなケースに限り、武器の使用制限を緩和します」

とのこと。

 

1)これまで参加してきた国連PKOって?

PKOとは、国連による停戦監視です。

事態の沈静化をはかり、紛争の再発を防ぎます。伝統的には軍事的対応が主でしたが、冷戦後は、兵士の社会復帰や政治機能の回復、経済開発の援助など、その活動も多様化しました。

日本はこれまで、紛争で壊された施設や道路、上下水道の修復・整備、人材育成の訓練センターへの講師派遣、難民に対する物資援助などをしてきました。憲法9条があるので、あくまでも非軍事的な協力しかできなかったのです。

 

2)有志国が実施する類似の活動→類似どころの騒ぎちゃうで!

(ツッコミ1)

今回のPKO法改定で、新たに「紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民保護」の活動に参加できるようになります。

これによれば、停戦国内で自衛隊が駐留・巡回し、武装勢力等を排除する「治安維持活動」に参加できるようになるのです。

しかも、有志の連合軍が行う同種の活動ということは、国連決議がなく、国連が統括しないということです。

国連決議がないのに、「大量破壊兵器があるはず」と叫んでイラクに攻め込み、やっぱり大量破壊兵器はなかったとして、国際社会から厳しい非難を受けた国がありましたよね。

国際的に正当性のない軍事介入に、日本が加担することになるかもしれません。

 

3)PKOと同様の条件を満たせば→全然ちゃうやん!(ツッコミ2)

PKOへの参加は、

① 停戦合意がなされ、

② 紛争当事者の受入同意がある場合のみであり、

③ 中立的な立場を厳守し、

④ この前提条件が満たされない状況が生じた場合には撤収

できなければならず、

⑤ 武器使用も要員の生命等の防護のために必要最小限の

ものに限られる

とされてきました(PKO5原則)。

しかし、停戦合意がない紛争後の地域で活動したり、紛争発生前に紛争防止に必要な活動をすることができるようになります。

さらに、治安維持活動という任務を遂行するために武器を使用することができるようになる点でも、これまでとは全く異なります。

 

4)付近で活動中の日本人ボランティア等→他国軍も含むで!

(ツッコミ3)

今回のPKO法の改定によれば、PKOに参加する他国軍が武装勢力等と戦闘を始めれば、自衛隊が他国軍の元へ駆け付けてこれを助ける「駆け付け警護」もできるようになります。

 

5)駆付警護のようなケースに限り武器の使用制限を緩和

→もっともっと武器使用の制限は緩和されるで!(ツッコミ4)

そして、治安維持活動や駆け付け警護との関係で、自衛隊員は自己防衛のためだけでなく、現地住民や他国軍の防護のためにも武器を使用することができるようになります。

更には、治安維持活動や駆け付け警護という任務を遂行するために必要な武器の使用までも認めるとしています。

不安定な状態にある紛争国内で、武器を持った自衛隊員が駐留すれば、武装勢力から攻撃されることも有り得るでしょう。

また、武装勢力の排除等、治安維持の任務を遂行するためとして、専制的に武器を使用すれば、武装勢力から抵抗を受けます。

そうなれば、自衛隊員に犠牲者が出ることは避けられませんし、このような事態に対応するため、自衛隊が組織的に武器を使用すれば、それはまさしく戦闘行為であって、憲法9条が禁じている「武力行使」に他なりません。

アフガニスタンでの治安維持活動で、NATO軍の死者は3500人、民間人の死者は2万1400人にのぼります。

イラク戦争での民間人犠牲者について、WHOは開戦後3年間で15万1000人と発表しています。

殺し殺されることが「国際貢献」ですか?

そんな国際貢献なら、要りません。

 

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